長船貞親

長船貞親（おさふね さだちか）は、戦国時代から安土桃山時代にかけて活躍した武将であり、備前の戦国大名である宇喜多氏の家臣として知られています。

生涯

長船貞親の祖先は、甲斐源氏の名門である小笠原氏に繋がると伝えられています。彼は、戸川秀安や岡家利と並び、宇喜多直家の創業に貢献した「宇喜多三老」の一人として重要な役割を果たしました。

直家の初期からの家臣として、穝所元常との戦いなどで武功を挙げました。備中三村元親との戦い（明善寺合戦）では、荘元祐を討ち取ったとも伝えられています（ただし、異説も存在します）。さらに、美作三浦氏との戦いや、直家の元主君であった浦上宗景攻略（天神山城の戦い）などにおいても、大いに功績を挙げたとされています。

上月城の戦いにおいては、当初、毛利氏に味方した直家の命令により、上月城の救援に駆けつけた織田氏配下の将、羽柴秀吉（後の豊臣秀吉）方の黒田孝高らと戦い、これを破りました。しかし、後に直家が秀吉の薦めにより織田氏に味方すると、直家の命令に従い、今度は毛利氏と戦うことになります。

時期は明確ではありませんが、有力国人であった伊賀久隆が直家によって追放されると、その居城であった備前虎倉城を任されています。これは、貞親が直家から厚い信頼を得ていたことの証左と言えるでしょう。

直家の死後は、宇喜多秀家に仕え、秀家の名代として四国征伐などに従軍しました。戸川秀安が隠退すると、宇喜多氏の国政を取り仕切るようになります。しかし、天正19年（1591年）閏1月6日、その国政に不満を持った妹婿の石原新太郎によって、虎倉城で暗殺されるという悲劇的な最期を遂げました。

長船貞親は、宇喜多直家の創業期からその勢力拡大に大きく貢献し、宇喜多氏にとって欠かせない重臣でした。しかし、その最期は、内部抗争という形で幕を閉じることとなり、戦国時代の武将の宿命を物語る出来事として、歴史に名を残しています。

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