長野県道84号乗鞍岳線

長野県道84号乗鞍岳線

長野県道84号乗鞍岳線は、長野県松本市安曇の前川渡を起点とし、岐阜県高山市丹生川町の乗鞍岳畳平付近に至る主要地方道です。この道路は、乗鞍高原よりも標高の高い区間において「乗鞍エコーライン」という愛称で親しまれています。

特筆すべき点として、この県道は岐阜県にも跨がっていますが、岐阜県道としては認定されていません。岐阜県道84号は別の路線が存在します。

概要

路線データ

起点：長野県松本市安曇（前川渡交差点、国道158号交点）
終点：岐阜県高山市丹生川町岩井谷（岐阜県道5号乗鞍公園線（乗鞍スカイライン）交点）

歴史

1964年（昭和39年）3月26日：長野県が一般県道299号乗鞍岳線を認定。
1993年（平成5年）5月11日：建設省（現・国土交通省）が、一般県道乗鞍岳線を主要地方道として指定。
1994年（平成6年）4月1日：長野県が整理番号を299から84へ変更。

路線状況

規制

2003年以降、三本滝ゲートから先の区間は、一般車両の通行が通年で禁止されています。許可されているのは、バス、タクシー、緊急車両、自転車のみです。
夏季には、乗鞍高原から畳平までの区間で代替シャトルバスが運行されています（アルピコ交通バス）。また、休暇村乗鞍高原から先の区間は冬季閉鎖となります。

春の山スキーシーズンには、中腹の位ヶ原山荘までアルピコ交通のスキーシャトルバスが運行されます。このバスは、通行止め区間をゲートを開けて運行するため、通常の路線バスとしては運行されず、「会員制スキーバス」として扱われます。

乗鞍岳畳平地域における公共交通機関の車両が走行する最高地点は、乗鞍スカイライン終点の畳平駐車場ではなく、この乗鞍エコーラインの長野県と岐阜県の県境地点（標高2716m）です。ここは、日本の公共交通機関車両が到達できる最高地点であり、日本一高地を車両で通行できる県道として知られています。2003年以降はマイカーの乗り入れが禁止されたため、かつてマイカーが到達できた最高地点でもあります。

通行規制の詳細

冬期通行止め：11月初旬～翌年7月初旬（三本滝ゲート～終点）、11月中旬～翌年4月初旬（休暇村乗鞍高原～終点）
通年マイカー乗り入れ規制：三本滝ゲート～終点
通行許可車両：バス、タクシー、自転車、その他除外車両
夜間通行禁止：
7月～9月：18:00～翌6:00
10月：18:00～翌7:00

地理

起点の位置する前川渡は、奈川渡ダムのダム湖に向かって切り立った崖の中腹にあります。乗鞍岳線に入ると、まずダム湖にかかる前川渡大橋を渡ります。その後、乗鞍高原のほぼ中央を西から東へと縦断し、休暇村乗鞍高原、三本滝ゲートへと続きます。三本滝ゲートからは、乗鞍岳の山腹を縫うようにカーブを繰り返しながら上り、山頂直下の畳平付近で岐阜県道5号乗鞍公園線（乗鞍スカイライン）と交差します。

通過する自治体

長野県：松本市
岐阜県：高山市

交差する道路

国道158号（松本市安曇、前川渡交差点、起点）
上高地・乗鞍スーパー林道A区間・B区間（松本市安曇（鈴蘭））
岐阜県道5号乗鞍公園線（高山市丹生川町岩井谷、終点）

沿線にある施設

乗鞍高原
三本滝
善五郎の滝
番所大滝
牛留池
Mt.乗鞍（冬季には横断する県道区間がゲレンデに）
乗鞍高原温泉
休暇村乗鞍高原
乗鞍岳

脚注

注釈

出典

参考文献

浅井建爾『日本の道路がわかる辞典』（初版）日本実業出版社、2015年10月10日。ISBN 978-4-534-05318-3。
佐藤健太郎『ふしぎな国道』講談社〈講談社現代新書〉、2014年10月20日。ISBN 978-4-06-288282-8。

関連項目

長野県の県道一覧
乗鞍スカイライン
全日本マウンテンサイクリングin乗鞍

外部リンク

* 長野県公式ホームページ 乗鞍岳交通規制

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