花尾城

花尾城

花尾城は、福岡県北九州市八幡西区に位置する、標高351メートルの花尾山山頂に築かれた山城です。建久5年（1194年）に麻生氏の祖である宇都宮重業によって築城されました。

歴史

花尾城は、麻生氏の拠点として、その歴史の中で数々の戦乱に巻き込まれました。

文明年間： 麻生家信と弘家の家督争いに大内政弘が介入。3年に及ぶ攻防の末、和議が成立し、家信は岡城へ、弘家が花尾城主となりました。
戦国時代： 大内義隆が城を奪い、相良武任を城主にしますが、武任は大寧寺の変で殺害され、麻生鎮里が再び城主となります。
永禄年間： 麻生鎮里は、一族の麻生隆実との戦いに敗れ、薩摩へ逃れました。
天正年間： 豊臣秀吉の九州征伐により、麻生家氏は降伏し、筑後へ移され、小早川隆景の領有となり廃城となりました。

現在、花尾城跡は花尾山城公園として整備されており、当時の面影を残す遺構を見ることができます。また、黒崎駅前にあった想像模型は、北九州市立八幡西図書館前に移設されています。龍潜寺には、花尾城の戦死者を供養する碑が建てられています。

また、近隣地域に伝わる「前田の盆踊」は、明応年間（1492年～1501年）に大内氏に攻められた際の戦死者供養として始まったと伝えられています。

構造

花尾城は、大小12の郭からなる連郭式の山城です。山頂の本丸を中心に、周囲に郭が配置され、防御機能を高めていました。現在も竪堀や石塁、井戸跡などの遺構が残っており、当時の様子を偲ぶことができます。

所在地・アクセス

所在地： 北九州市八幡西区大字熊手
アクセス： 西鉄黒崎バスセンターから西鉄バスに乗車し、「花尾城東登山口」で下車後、遊歩道を徒歩約20分。

参考文献

『筑前国続風土記』1703年

関連項目

飛幡八幡宮
* 日本の城一覧

花尾城は、その歴史と遺構を通じて、戦国時代の北九州の姿を今に伝える貴重な史跡です。公園として整備された城跡は、市民の憩いの場として親しまれています。

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