開聞十町

開聞十町（かいもんじゅっちょう）

鹿児島県指宿市に位置する開聞十町は、旧薩摩国頴娃郡に属し、歴史と自然が豊かな地域です。人口は約2,182人（2015年時点）で、指宿市の南西部に位置しています。この地域は、枚聞神社という歴史ある神社と、1日10万トンの湧水を誇る唐船峡という観光名所を有しています。

地理

開聞十町は、指宿市の南西部に位置し、宮田川流域に広がっています。北から東、南にかけては開聞仙田に、西は南九州市頴娃町郡に隣接し、南西部は東シナ海に面しています。地域の中心部には指宿市役所開聞庁舎があり、開聞地域の行政の中心となっています。また、指宿市立開聞小学校や指宿市立開聞中学校などの教育施設も点在しています。

枚聞神社

地域西部には、薩摩国一宮であったとされる枚聞神社が鎮座しています。創建は不詳ですが、主祭神として大日孁貴命が祀られ、五男三女神も配祀されています。南北朝時代頃までは薩摩国一宮であったとされています。

交通

地域の中心部を国道226号が東西に走り、それに並行して指宿枕崎線が通っています。この地域には東開聞駅、開聞駅、入野駅の３つの駅があります。また、県道28号と243号、241号が地域内を通っており、交通の要所となっています。

歴史

先史時代

開聞十町では、弥生時代の土器が発見されており、古代から人々が生活していたことが伺えます。特に、「京田前玉井遺跡」、「京田後遺跡」、「白石平遺跡」などが知られています。

古代

枚聞神社は古代から開聞岳の麓に鎮座しており、平安時代には「頴娃郡枚聞神社」として延喜式に記載されています。日本三代実録には開聞岳の噴火に関連した記述があり、枚聞神社の重要性を示しています。

中世

鎌倉時代には、枚聞神社の社領は広大で、薩摩国一宮を巡って新田神社と争った歴史があります。南北朝時代には、頴娃氏の所領となり、安土桃山時代には太閤検地によって島津氏の領地となりました。

近世

江戸時代には、枚聞神社付近の地域は宮拾町と呼ばれていましたが、宝永初期頃に仙田村の一部と合わせて拾町村が成立しました。村高は時代によって変動し、様々な記録が残っています。

近代

明治時代には、大区小区制により小区となり、戸長役場が郡村に置かれました。町村制施行により頴娃村の一部となり、大字「十町」となりました。その後、駐在所が設置されたり、町村の合併・分立を経て、現在の開聞十町に至ります。

現代

1951年に開聞村が分立し、役場が十町に設置されました。その後、開聞村は町制施行し、開聞町となりました。2006年には、指宿市、山川町と合併し、現在の指宿市開聞十町となりました。

人口

1958年から1991年までは「開聞町郷土誌改訂版」に掲載されたデータ、1995年以降は国勢調査に基づいて人口が記録されています。

施設

公共施設

開聞十町には、指宿市役所開聞庁舎、開聞老人福祉センター、開聞駐在所などの公共施設があります。また、開聞総合体育館やグラウンド、唐船峡公園など、地域住民の生活と観光を支える施設も充実しています。

教育施設

指宿市立開聞中学校、指宿市立開聞小学校、開聞保育園などの教育施設があります。

郵便局

開聞郵便局、開聞入野郵便局、玉井簡易郵便局が設置されています。

寺社

枚聞神社、霧島神社、開聞寺などがあります。

文化財

松梅蒔絵櫛笥附属品並目録共一合、枚聞神社本殿、縄状玄武岩などが国や県の指定文化財となっています。また、瑞応院跡、入野原石塔群などの市指定文化財も存在します。

産業

商業・観光

国道226号沿いには商店街が形成され、飲食料品店や医療施設、日用雑貨店などが立ち並んでいます。観光面では、唐船峡のそうめん流しが有名で、年間30万人以上の観光客が訪れます。回転式そうめん流しは、この地域が発祥の地です。

教育

中学校

指宿市立開聞中学校は、1947年に開校し、幾度かの変遷を経て現在に至ります。

小学校

指宿市立開聞小学校は、1876年に山崎小学校と里中小学校として設置され、後に統合されました。その後、国民学校や町村立小学校を経て、現在の形になっています。

交通

道路

国道226号、鹿児島県道28号、241号、243号が地域内を通っています。

鉄道

JR指宿枕崎線が通っており、東開聞駅、開聞駅、入野駅が設置されています。

まとめ

開聞十町は、自然、歴史、文化が融合した魅力的な地域です。枚聞神社や唐船峡などの観光名所があり、多くの観光客が訪れます。地域住民の生活と歴史が深く結びついた、この地域は、これからも多くの人々を魅了することでしょう。

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