阜陽西関空港

阜陽空港：歴史と発展を遂げる安徽省の空の玄関口

阜陽空港は、中国安徽省阜陽市に位置する民用空港であり、同市の経済発展と人々の移動を支える重要な役割を担っています。阜陽市政府が運営するこの空港は、安徽省内では合肥新橋国際空港に次ぐ利用客数を誇り、地域における空の交通の要となっています。

空港の基本情報

名称: 阜陽空港 (Fuyang Airport)
IATAコード: FUG
ICAOコード: ZSFY
所在地: 中華人民共和国安徽省阜陽市潁州区潁西街道
* 運営: 阜陽民用航空センター（阜陽市政府管轄）

空港名称の変遷と誤用

中国の空港命名規則

中国の空港は一般的に「都市名＋具体的地名」の組み合わせで命名されます。しかし、北京首都国際空港のように、地名ではなく首都としての意味合いを込めた名称や、義烏空港のように都市名のみを使用する例も存在します。

「阜陽西関空港」の誤用

阜陽空港は、かつて「阜陽西関空港」という名称で知られていました。これは1957年から1994年まで存在した旧空港の名称で、当時の阜陽市街地から西に約4キロメートル離れた「西関」地区に位置していたことに由来します。

1992年に「阜陽空港」へ改称されましたが、現在でも一部のウェブサイトや市民の間で「阜陽西関空港」と誤用されることがあります。特に若年層を中心に、旧空港の歴史を知らない世代でこの誤用が広まっています。一方で、旧空港の歴史を知る中年層以上の住民は、阜陽空港を「西関空港」と呼ぶことはほとんどありません。この背景には、「西関」という地名がかつて拘置所があった場所を連想させ、避けられる傾向にあることも影響しています。現在の空港は1994年に新設されたもので、「西関」という名称はもはや空港の場所を示すものではなくなりました。

阜陽空港の改名と将来

近年、阜陽空港の名称変更が提案されています。阜陽市行政当局は、新旅客ターミナルの運用開始に合わせて空港の新名称を発表する方針です。候補として有力視されているのが「阜陽西湖空港」です。これは、空港が潁州西湖に近接していることに由来し、歴史的な名勝地の名前を冠することで観光振興につなげようという意図があります。

空港の概要

阜陽空港は、阜陽市街地の西約7キロメートルに位置し、市営空港として運営されています。安徽省内では、黄山屯渓国際空港に次いで2番目に歴史のある民用空港であり、皖北地方で唯一の民用空港です。

4Cレベル空港

中国の基準により、阜陽空港は「4Cレベル空港」に分類されています。このレベルの空港では、エアバスA320やボーイング737などのナローボディ機の離着陸が可能ですが、より大型の航空機には対応できません。主に主要都市のハブ空港と地方のフィーダー空港を結ぶ役割を担っています。

貨物輸送拠点

阜陽空港は旅客輸送だけでなく、地域貨物航空輸送のターミナル空港としても位置づけられています。長江デルタ地域の一体化発展計画においても重要な役割を果たすことが期待されています。

阜陽空港の歴史

阜陽空港の歴史は、以下のようにいくつかの時代に分けることができます。

九里溝飛行場時代（1931～1937年）

1931年、国民政府が九里溝の土地を没収して飛行場を建設。1935年に完成したが、日中戦争勃発により廃止。

李家集飛行場時代（1942～1945年）

1942年、阜陽城南の李家集に新飛行場が建設。1944年に完成したが、1945年の洪水で廃止。

阜陽西関空港時代（1957～1994年）

1957年、西関に新空港を建設開始。1958年に完成し、合肥便が就航。その後、幾度かの運航停止と再開を繰り返した後、1992年に「阜陽空港」に改称。1994年の新空港着工とともに廃止。

新阜陽空港時代（1994年～）

1994年に新空港が着工し、現在に至る。

就航路線

阜陽空港のフライトスケジュールは、年に二回程度改定されます。冬春期（11月～3月）と夏秋期（4月～10月）に分かれており、2022/23年冬春シーズンには24の定期便（国内線のみ）が21都市に就航しています。

また、夏季にはオルドス・エジンホロ国際空港との定期チャーター便も運航されています。将来的には、国際線や香港、マカオ、台湾路線も開設される見込みです。

かつての就航路線

かつては、北京南苑空港、太原武宿国際空港、上海虹橋国際空港、合肥駱崗国際空港など、中国各地の主要都市への路線が運航されていました。

空港へのアクセス

鉄道

阜陽西駅は、阜陽空港の旅客ターミナルのすぐ東側に位置し、高速鉄道への乗り換えが便利です。無料のシャトルバスが約15分間隔で運行されており、所要時間は約9分です。

バス

市内バス19番路線が空港を発着するほか、阜陽西駅とを結ぶ無料シャトルバスを利用することで、市内各地へのアクセスが可能です。また、阜南方面へのシティ間バスも利用可能です。

道路

阜陽空港へは、高速道路の出入口から市内道路を経由してアクセスできます。2025年には、空港に直接アクセスできる高速道路が開通する予定です。

まとめ

阜陽空港は、安徽省北部における重要な交通拠点であり、地域経済の発展を支える役割を担っています。旧空港の歴史や名称の変遷、そして今後の発展が期待される空港です。新ターミナル建設と名称変更により、更なる発展が期待されます。

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