阿田和駅

阿田和駅（あたわえき）は、三重県南牟婁郡御浜町大字阿田和にある、東海旅客鉄道（JR東海）紀勢本線の駅です。

歴史

阿田和駅は、開設当初から紀伊半島内陸部の入鹿鉱山からの鉱石積み出し駅として重要な役割を担っていました。紀和町板屋の入鹿鉱山から索道で運ばれた鉱石は、ここから鉄道輸送され、産業を支えました。1978年（昭和53年）の鉱山閉鎖とともに、その役割は終焉を迎えました。

年表

1940年（昭和15年）8月8日：鉄道省紀勢西線（現・紀勢本線）新宮駅 - 紀伊木本駅（現・熊野市駅）延伸時に開設。
1959年（昭和34年）7月15日：線路名称改定により、紀勢西線が紀勢本線に編入され、同線の駅となる。
1982年（昭和57年）10月1日：貨物取扱廃止。
1983年（昭和58年）12月21日：無人駅化、荷物扱い廃止。
1987年（昭和62年）4月1日：国鉄分割民営化に伴い、JR東海の駅となる。

駅構造

島式ホーム1面2線と側線2線を有する地上駅で、列車交換が可能です。木造平屋の駅舎は、紀勢西線開通前の1939年（昭和14年）に完成しました。駅舎とホームは、遮断機と警報機付きの構内踏切で連絡しています。

駅舎内の待合室は比較的広く、かつて使用されていた出札口や小荷物台が当時の面影を残したまま残っています。現在は熊野市駅が管理する無人駅で、自動券売機や乗車駅証明書発行機は設置されていません。

JR東海は駅舎の老朽化に伴い、2024年（令和6年）7月に御浜町に建て替えの方針を伝えています。ホーム屋根や駅舎を撤去し、待合所を新設する計画で、2026年までに完成させる予定です。

のりば

駅には1番線と2番線があり、列車は両方向へ発着します。

利用状況

「三重県統計書」によると、近年の一日平均乗車人員は以下の通りです。

（具体的な乗車人員のデータは省略）

駅周辺

阿田和駅は御浜町の中心部に近く、駅前は整備されています。熊野古道の浜街道から尾呂志街道が分岐する地点であり、歴史的な趣も感じられます。駅から歩いてすぐの場所には七里御浜海岸が広がり、国道42号が海岸沿いを走っています。駅前には道の駅パーク七里御浜があり、オークワなどの店舗も利用できます。周辺には商店や御浜町町民サービスセンターなどもあります。また、国道を熊野市方面に進むと御浜町役場があります。

バス路線

国道には、熊野市駅と新宮駅を結ぶ三重交通の路線バスが約60分間隔で運行しており、「阿田和駅前」バス停が最寄りです。

三重交通

路線バス
新宮駅前
三交南紀
大又大久保
新町
高速バス
名古屋南紀高速バス（VISON・名古屋（名鉄バスセンター））
南紀東京高速バス（南紀勝浦発 横浜、新宿、池袋、大宮行）

熊野市・御浜町コミュニティバス、熊野市・御浜町広域バス

瀞流荘紀南病院線（紀南病院、平谷、瀞流荘方面）

隣の駅

東海旅客鉄道（JR東海）

■紀勢本線

紀伊市木駅 - 阿田和駅 - 紀伊井田駅

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