阿部昭吾

阿部 昭吾（あべ しょうご）

阿部昭吾は、1928年8月10日に山形県飽海郡一条村で生まれた日本の政治家であり、2015年1月4日に86歳で逝去しました。彼は衆議院議員を10期にわたって務め、社会民主連合の第2代書記長や国会対策委員長としても知られています。生涯の功績として、勲一等瑞宝章を受賞しています。

来歴

阿部は農家の家庭に生まれ、法政大学法学部に在学中、当時左派社会党に所属していた上林与市郎の秘書として政治活動に関与しました。1951年に大学を卒業後、1954年には全日本農民組合連合会の青年部長として農民運動に従事しました。彼の政治家としてのキャリアは、1959年の山形県議会議員選挙での当選から始まります。彼は2期にわたって県議会議員を務め、その後、1967年に衆議院議員総選挙に出馬し、日本社会党公認で初当選を果たします。

その後、阿部は10期連続して衆議院議員に選ばれ、政治活動を貫きました。1977年に社会党からの離党を試みましたが、党内において受理されず、除名処分を受けました。そのことを背景に、1978年には社会民主連合の結党に参加し、田英夫の下で国会対策委員長としての役割を果たしました。さらに、江田五月が代表を務める中で書記長としても活動しましたが、社民連の解党まで、彼は国会対策委員長としてその地位を保ちました。

1994年、社民連の解党に伴い、日本新党に参加。その後、新進党の結党にも関与しましたが、1996年に比例東北ブロック単独で出馬した際に落選し、政界を引退しました。新進党解散後は民主党山形県連の顧問として活動を続けました。

人物

全日本農民組合連合会青年部長として、阿部はソビエト連邦を訪問し、コルホーズやソフホーズの現状を目の当たりにしました。その体験は、共産主義の行き詰まりを確信へと変えました。衆議院議員としては、構造改革を提唱する江田三郎の派閥に加わり、後に社会党を離党し、社会市民連合の後継政党である社会民主連合に入党しました。さらに、彼は新東京国際空港の一坪共有地の名義人の一人でもあり、庄内空港の実現に向けての取り組みにも力を注ぎました。

また、選択的夫婦別姓制度の導入について賛成の立場を持っていました。

著書

阿部は政治活動の中でいくつかの著書を残しています。主な著書には、1981年に出版された『草の根悠久：政治運動者の軌跡』や、1992年に出版された『草の根光芒：一政治運動者の軌跡』などがあります。いずれも彼の政治運動に対する思いや実績が垣間見える貴重な資料となっています。

終わりに

2015年1月、阿部昭吾は肺炎によって庄内余目病院で亡くなりました。その生涯は日本の政治の中で多大な影響を与え、多くの人々に記憶されています。叙正四位の栄誉も受け、生涯にわたり政治家としての貢献を果たしました。

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