除細動器

除細動器について

除細動器（じょさいどうき、英語: defibrillator）は、心室細動（VF）や心室頻拍（VT）などの心臓の不整脈に対して、電気的な刺激を与えて治療を行うための医療機器です。この機器は、心停止状態にある患者に使用されることが多いですが、実際には一度停止した心臓を再び動かすためだけのものではありません。

除細動器の種類

除細動器にはいくつかの種類があります。まず、医療機関で一般に使用される「除細動器」(Defibrillator)があります。この機器は、医療の専門家により操作され、迅速な対応が求められます。また、心臓に植え込むことができる「植え込み型除細動器」(ICD)も存在し、心臓のリズムを常に監視しています。さらに、一般市民が使用可能な「自動体外式[[除細動器]]」(AED)も普及しており、この機器は音声ガイドに従って操作できるため、緊急時でも扱いやすいのが特徴です。

除細動器の適応

除細動器は、心室細動や心室頻拍に対する「非同期性通電」に使われるほか、心波形に合わせた「同期性通電」でも使用されます。このような適応疾患には、心房細動（Af）や心房粗動（AF）、発作性上室性頻拍（PSVT）なども含まれます。

日本における状況

日本においては、初めて除細動器が一般市民に開放されたのは2004年のことです。それまで、医師や看護師、救急救命士のみがこの器具を使用できていましたが、心室細動が原因で急逝した高円宮憲仁親王の事件がきっかけとなり、一般市民も心室細動の際に除細動を実施できるとする通知が厚生労働省から出されました。これは、心停止から除細動までの時間が生存率に大きく影響するという研究結果に基づいています。

この新たな法律の整備により、除細動器の実施が容易になりましたが、依然として公共施設などへの自動体外式[[除細動器]]（AED）の設置は進んでいない状況です。例えば、2005年の愛知万博では200台のAEDが設置されたものの、その後の広がりには時間がかかっています。しかし、大阪府の藤井寺市では、医師会員の全診療所にAEDが常備され、使い方の講習も行われており、こうした取り組みが増加しています。

また、学校や職場における救急救命講習でも、AEDの操作方法が広く教えられており、これにより一般市民の心肺蘇生法に対する理解が深まっています。

まとめ

除細動器は、心臓の不整脈に対して重要な治療法を提供する医療機器としての役割がますます重要視されています。特に、一般市民がAEDを利用できるようになることで、突然の心停止に対する対応能力が高まることが期待されています。今後、さらなる普及と利用促進が必要とされています。

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