陸景

陸景の生涯と業績

陸景（りく けい）は、中国の三国時代に活躍した呉の武将であり学者です。彼は赤烏13年（250年）に生まれ、天紀4年（280年）に命を落としました。字は士仁で、揚州呉郡呉県に本貫を持ちます。彼は陸抗の次男であり、母方の家系は張承の娘に由来し、張昭や諸葛瑾の曾孫にあたります。家族構成としては、兄に陸晏、弟に陸玄、陸機、陸雲、陸耽がいます。

幼少期

陸景は建興2年（253年）に、諸葛恪が誅殺された際に連座し、母と生別しました。その後、彼は祖母に育てられましたが、その祖母が亡くなった際、陸景は心の喪失を三年間経験しました。このような環境により、彼は学問を深く志向するようになり、修行に励みました。

学問と結婚

彼は非常に優れた学者として成長し、弟の陸機や従弟の陸曄と並び称される存在になりました。264年、孫晧が即位する頃には、母方の従姉妹である公主を娶り、騎都尉に任じられました。また、毗陵侯に封ぜられるなど、出世を果たしました。

軍歴と最後の戦い

鳳凰3年（274年）には、父が亡くなり、陸景は末弟の陸耽を除く兄弟5人で軍を分け合うこととなりました。陸景は偏将軍や中夏督に昇進し、その軍事的な才能を発揮する場面もありました。

天紀4年（280年）の2月、晋の王濬が侵攻してくると、陸景は防衛戦に参加しました。彼は堅固に抵抗を試みましたが、捕らえられ、斬首されてしまいました。この戦争では、彼の兄である陸晏も斬られ、軍は大きな打撃を受けました。

文才と著作

陸景は武将としてだけでなく、文才にも恵まれた人物でした。後世には彼の著作が『陸景集』としてまとめられ、現在でも彼が親しかった兄の陸晏や従兄弟へ書いた手紙が残っています。また、彼は『典語』十巻や『典語別』二巻を編集し、知識の普及にも寄与しました。

小説『三国志演義』での描写

小説『三国志演義』では、陸景は水軍を指揮し、敵に立ち向かいますが、晋軍の勢いに圧倒されてしまいます。最終的には逃げようとしたところを敵将に捕らえられ、命を落とすという悲劇的な運命に見舞われます。この描写は、彼の勇敢さと同時に運命の無情さを物語っています。

このように、陸景はその生涯を通じて、軍事と学問の両面で重要な役割を果たした、三国時代の重要な人物でした。

もう一度検索