陸曄

陸曄（りく よう）

陸曄（261年 - 334年）は、東晋時代の官僚・軍人であり、字は士光、本貫は呉郡呉県です。彼は名門陸氏の出身で、祖父は陸瑁、父は陸英、伯父は陸喜、弟は陸玩という家系です。

生涯

陸曄は若くして名望があり、従兄の陸機から高く評価されていました。孝廉に挙げられましたが、永世県令や烏江県令への就任を辞退しました。

司馬睿が江南に駐屯すると、陸曄は召し出されて祭酒となり、その後、振威将軍・義興郡太守に任じられましたが、病のためこれも辞退しました。311年には江州刺史の華軼を討伐する功績を挙げ、平望亭侯に封じられました。その後、散騎常侍・呉郡大中正を歴任し、318年には太子詹事に転じました。元帝（司馬睿）は江南の人物を登用しようと考え、清廉で評判の高い陸曄を侍中に任命しました。さらに尚書に転じ、揚州大中正も務めました。

322年に明帝が即位すると、陸曄は光禄勲となり、太常に転じました。324年に紀瞻が死去すると、後任として尚書左僕射となり、太子少傅を兼ねました。325年には金紫光禄大夫の位を加えられ、卞壼の後任として領軍将軍となりました。銭鳳を平定した功績により、爵位は江陵伯に進みました。明帝が病に倒れると、陸曄は王導、卞壼、庾亮、温嶠、郗鑒らと共に遺命を受け、皇太子司馬衍（後の成帝）を補佐し、殿中に入り兵を率いて宿直しました。録尚書事となり、散騎常侍の位も加えられました。

成帝が即位すると、陸曄は散騎常侍のまま左光禄大夫・開府儀同三司の位を受けました。327年に蘇峻の乱が勃発すると、翌年、陸曄は成帝に従って石頭に移りました。江南の士人からの名望があったため、蘇峻も陸曄を害することを避けました。329年に匡術が苑城で降伏すると、陸曄は匡術と共に督宮城軍事となりました。蘇峻の乱が鎮圧されると、衛将軍の号を加えられ、爵位は公に進みました。

334年9月に病のため死去しました。享年74。死後、侍中・車騎大将軍の位を追贈され、諡は穆とされました。

子女

陸諶（散騎常侍）
陸嘏（新康子）

伝記資料

* 『晋書』巻77 列伝第47

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