雲井龍之介

雲井 龍之介（くもい りゅうのすけ）

雲井龍之介は、1903年7月15日、東京都に誕生した日本の俳優であり、本名は澤武史（さわ たけし）です。彼は、初期の活動時に「雲井淳」と名乗り、剣戟映画の分野で多大な名声を得た人物です。極東キネマと称された映画会社で、市川寿三郎や綾小路絃三郎とともに「極東の三羽烏」と呼ばれました。これは、彼らが当時の剣戟映画界で非常に高い評価を受けていたことを示しています。

来歴

1903年に東京で生まれた雲井は、1924年に東亜キネマ等持院撮影所に入所。すぐに「雲井淳」として活動を開始し、同年には寿々喜多呂九平の脚本、沼田紅緑監督を迎えた映画『斬奸』で久富美雄三役を演じました。この作品が独自のスタートとなり、彼はあっという間に新しいスターへと成長していきます。

1926年には主演俳優に昇格し、村越章二郎監督の『勤王』によりその人気が高まりました。その後、広瀬五郎監督の『剣侠受難』や後藤秋声監督の『砂絵呪縛』にも出演し、着実にキャリアを築いていきます。1929年には河合映画に移籍し、同じ年には『貝殻一平』での主演が話題となりました。この作品は、当時いくつかの映画会社が競作していた人気原作を基にしており、彼の相手役には琴糸路が選ばれました。

1930年からは帝国キネマ演芸に移籍し、渡辺新太郎監督の『次郎吉ざんげ』などに出演。その後、帝国キネマが改組されたため新興キネマに参加し、さらなる仕事をこなしていきます。1932年には東亜キネマを改組した東活映画社に移籍し、志波西果監督の『夜明けの女』などに出演しましたが、同年に会社が解散したため、日活太秦撮影所へ移ることになりました。ここでは9本の作品に出演し、その後は片岡千恵蔵プロダクション、第一映画、マキノトーキー製作所などに転々としながら活動を続けました。

1936年、雲井は極東映画に移籍し、5年間で57本に出演します。その後、1941年に高田博文監督の『燃ゆる魂』に出演した後、極東映画の合併により事実上の引退を迎えました。彼の裏には多くの作品があり、その多くが時代の名作として語り継がれています。

主な作品

雲井龍之介は数多くの作品に出演しており、その中には以下のような作品があります。

• - 『斬奸』 (1924年、監督: 沼田紅緑)
• - 『勤王』 (1926年、監督: 村越章二郎 - 初主演)
• - 『剣侠受難』  (1927年、監督: 広瀬五郎)
• - 『砂絵呪縛』 (1927年、監督: 後藤秋声)
• - 『雲井竜雄』 (1928年、監督: 後藤秋声)
• - 『貝殻一平』 (1929年、監督: 村越章二郎)
• - 『夜明けの女』 (1932年、監督: 志波西果)
• - 『燃ゆる魂』 (1941年、監督: 高田博文)

彼は1980年12月22日に亡くなり、満77歳であった。日本の映画界において独自の地位を築いた雲井龍之介は、その功績が今なお多くのファンによって記憶されています。

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