霍峻

霍峻（かく しゅん）

霍峻（180年 - 219年）は、後漢末期の武将で、字は仲邈（ちゅうばく）。荊州南郡枝江県の出身。

生涯

兄の霍篤（かく とく）の死後、霍峻は劉表（りゅうひょう）の命によりその私兵を受け継ぎました。208年に劉表が亡くなると、劉備（りゅうび）に仕え、中郎将（ちゅうろうしょう）に任命されました。

212年、劉備が蜀（しょく）へ入る際、霍峻は広漢郡（こうかんぐん）の葭萌城（かぼうじょう）の守備を命じられました。この時、張魯（ちょうろ）配下の楊帛（ようはく）から寝返りの誘いを受けましたが、霍峻はこれを拒否しました。その後、劉璋（りゅうしょう）軍の扶禁（ふきん）・向存（こうぞん）率いる一万余りの軍勢に城を包囲されましたが、霍峻は一年間持ちこたえました。そして、数百の兵の中から精鋭を選び、城外へ打って出て扶禁・向存を破り、向存を討ち取りました。この功績により、217年に梓潼太守（しとうたいしゅ）兼裨将軍（ひしょうぐん）に任じられました。

219年、霍峻は在職中に40歳で亡くなり、遺体は成都（せいと）に葬られました。劉備はその死を深く悲しみ、葬儀の際には墓の側で宿泊したと伝えられています。

三国志演義

小説『三国志演義（さんごくしえんぎ）』では、劉備の蜀入りの際に初登場します。劉璋から劉備に鞍替えした孟達（もうたつ）の推薦で、孟達と共に葭萌関（かぼうかん、正史では葭萌城）を守備します。益州（えきしゅう）平定後も孟達と共に葭萌関を守り、張郃（ちょうこう）が攻めてきた際には籠城を主張しましたが、孟達が出撃して大敗を喫しました。その後、援軍として黄忠（こうちゅう）・厳顔（げんがん）の二人の老将が派遣されてくると、霍峻は孟達と共に諸葛亮（しょかつりょう）の采配を笑いましたが、黄忠・厳顔の活躍によって魏軍（ぎぐん）は撃退されました。

人物評価

霍峻は、その忠義と勇敢さで知られています。困難な状況下でも冷静さを保ち、持ち前の知略と勇猛さで幾度となく危機を乗り越えました。劉備からの信頼も厚く、その死を深く悼まれたことからも、霍峻が非常に有能で人望のある武将であったことが窺えます。

参考文献

『三国志』蜀書11 霍峻伝
『三国演義』

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