青い真珠

映画『青い真珠』について

『青い真珠』は、1951年8月3日に公開された東宝製作の日本[[映画]]です。モノクロ、スタンダードで、志摩半島の小さな島の古い漁村を舞台に、そこで暮らす人々の生活と、因習を描いています。

制作の背景

原作は山田克郎の直木賞小説『海の廃園』です。監督は、記録映画『伊勢志摩』を手がけた本多猪四郎で、本作が初の劇映画監督作品となります。本多監督は、『伊勢志摩』の撮影を通じて海女の生活に興味を持ち、映画化を構想していたところ、『海の廃園』と出会い、本作の製作に至りました。前作で培った水中撮影の技術を活かすため、自ら脚本も手掛けています。

作品の特徴

本作は、後の本多作品にも共通する要素が散見されます。例えば、映画『ゴジラ』では本作と同じロケ地が使用されており、祭りのシーンなど、共通点が見られます。作品のテーマや描写においても、本多作品の原点と言えるでしょう。

当初、音楽は芥川也寸志が担当する予定でしたが、病気により降板。代わりに服部正が担当しました。

脚本執筆時には、同じ旅館で黒澤明も『羅生門』の脚本を執筆しており、夜になるとお互いの脚本を読み合わせしていたというエピソードも残っています。

撮影について

若い海女役で出演した記平佳枝によれば、ロケ地は電気が通っておらず、宿屋もない村で、村長や船長などの家に1ヶ月以上宿泊していたそうです。地元海女から泳ぎや磯笛などの技術を学び、役作りに励んだと言います。記平は、モノクロで現地の風景の美しさが十分に表現されていないことを残念に思いつつも、当時は不便な場所であったため、二度と来ることはないだろうと考えていたそうです。しかし、その後も『潮騒』（1954年）などの撮影で度々訪れることになります。

キャスト

西田（新任灯台技師）：池部良
野枝（海女）：島崎雪子
リウ（海女）：浜田百合子
新太郎：柳谷寛
芳：石井伊吉
柳谷：堺左千夫
甚吉（船員）：山本礼三郎
煙草屋の老婆：英百合子
野枝の伯母：三好栄子
野枝の伯父：高堂国典
リウの母：本間文子
リウの父：左卜全
藤木灯台長：志村喬

その他、大城政子、桑原澄子、廣瀬嘉子、記平佳枝、五十嵐知子、秋葉米子、出雲八重子、馬野都留子、大村千吉、近藤宏などが出演しています。

スタッフ

製作：小林富佐雄
原作：山田克郎
音楽：服部正
撮影：飯村正
美術：松山崇
録音：三上長七郎
照明：西川鶴三
監督助手：岡本喜八郎
脚本・監督：本多猪四郎

参考文献

『ENCYCLOPEDIA OF GODZILLA ゴジラ大百科 [メカゴジラ編]』監修 田中友幸、責任編集 川北紘一、Gakken〈Gakken MOOK〉、1993年12月10日。
竹内博 編『本多猪四郎全仕事』朝日ソノラマ〈ファンタスティックコレクション〉、2000年5月1日。ISBN 4-257-03592-7。
『別冊映画秘宝 初代ゴジラ研究読本』洋泉社〈洋泉社MOOK〉、2014年8月24日。ISBN 978-4-8003-0452-0。

外部リンク

青い真珠 - MOVIE WALKER PRESS

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