青葉山徳雄

青葉山徳雄（あおばやま のりお）

青葉山徳雄は、1913年2月4日に宮城県仙台市青葉区で生まれ、1972年3月1日に亡くなった大相撲力士です。本名は阿部徳雄といい、陣幕部屋に所属していました。最高位は西前頭4枚目で、右四つ、寄りを得意としていました。現役時代の体格は173cm、112kgでした。

来歴

青葉山は、大坂相撲で大関だった12代陣幕に弟子入りし、1929年1月場所に初土俵を踏みました。がっぷり四つに組まないと力が発揮できないタイプで、勝ち身も遅く、じっくりと相撲を取ることから、水入りが多く、「バケツ」というあだ名が付けられました。しかし、1934年5月場所に幕下で11戦全勝優勝を果たすと、翌1935年1月場所に十両に昇進し、注目を集めるようになりました。そして、1937年5月場所には新入幕を果たしました。

当時の大相撲は、系統別総当たり制の時代で、大坂相撲系統の陣幕部屋は、同じ大坂の小野川部屋以外のすべての部屋と対戦する必要がありました。さらに、1940年からの東西制では、出羽一門で稽古をしながら連合側に配置され、出羽海・春日野勢と対戦しなければならないという不運もありました。1938年には親方が亡くなり、部屋は小野川部屋に吸収され、1942年1月からは小野川部屋も消滅したため、青葉山が陣幕部屋を二枚鑑札で再興しなければならなかったことも、大きな負担となりました。

そのような状況下でも、1940年5月場所には大関前田山と、場所後に大関昇進を果たした五ツ嶋を破り、1941年5月場所では横綱男女ノ川から金星を挙げるなど、幕内中堅力士として活躍しました。1940年5月場所、東前頭12枚目で7勝8敗と負け越したにもかかわらず、翌1941年1月場所には西前頭4枚目と、8枚も番付が上がったというエピソードも残っています。

1943年5月場所10日目、青葉山は龍王山と対戦しました。右四つに組み合って動かず、二番後取り直しになっても再び右四つ。青葉山が攻めましたが、龍王山もこらえ、再び水が入り、その後も動かずに引分となりました。青葉山は前日にも九州山との取組で引分となっていたため、2日連続の引分となりました。この日、山本五十六聯合艦隊司令長官戦死の報が伝えられ、協会幹部が観客とともに黙祷を捧げるという出来事がありました。その影響か、打ち出し後、両力士に「敢闘精神不足」という理由で無期限の出場停止処分が下されました。力士会会長だった横綱双葉山や前頭笠置山たちの尽力により、出場停止は2日間で終わりましたが、翌13日目に再び両者の対戦が組まれ、この相撲は青葉山が勝利しました。

しかし、翌1944年1月場所、青葉山は東西を入れ替えられ、今まで対戦のなかった連合側と対戦することとなりました。その場所3勝12敗と大負けし、現役を引退、年寄専務となりました。その後、戦後まもなく弟子をすべて新しい小野川親方（元錦華山）に譲り、自らは出羽海部屋付きの年寄となりましたが、1959年限りで廃業しました。

主な成績

通算成績：184勝202敗5分1休　勝率.477
幕内成績：77勝119敗5分1休　勝率.393
現役在位：39場所
幕内在位：14場所
金星：1個（男女ノ川1個）

各段優勝

幕下優勝：1回（1934年5月場所）
三段目優勝：1回（1933年1月場所）
序二段優勝：1回（1931年1月場所）

場所別成績

1932年1月番付では幕下西30枚目

幕内対戦成績

※さらに、綾昇、九州山、駿河海、出羽湊、龍王山と引分が1つずつあります。

改名歴

青葉山 徳男（あおばやま のりお）1929年1月場所 - 1941年5月場所
青葉山 徳雄（あおばやま のりお）1942年1月場所 - 1944年1月場所

年寄変遷

陣幕 徳雄（じんまく のりお）1942年1月 - 1959年1月

脚注

関連項目

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