風俗店の歴史

日本の風俗産業の歴史

江戸時代以前

江戸時代以前の日本における性風俗については、遊郭や遊女といった形態が確認できます。これらの制度は、公認されたものであり、社会構造の中に組み込まれていました。当時の性風俗は、現代とは異なる倫理観や社会通念の下で運営されており、歴史的背景を理解することが重要です。

近代

明治時代以降、近代化の進展に伴い、性風俗を取り巻く状況も変化しました。政府による規制や取締りが強化され、遊郭の廃止や売春の取り締まりなどが行われました。しかし、一方で、新たな形態の性風俗営業も出現し、社会問題としても注目を集めるようになりました。

太平洋戦争後～売春防止法制定まで

太平洋戦争後、進駐軍の進出に伴い、特殊慰安施設協会（RAA）が設立されました。これは、進駐軍による婦女暴行の防止を目的としたものでしたが、同時に、売春を助長する側面も持っていました。戦後の混乱期において、パンパン（戦後の売春婦）、オンリー（進駐軍の特定の相手とだけ交渉を持った売春婦）などの言葉が生まれ、社会問題として取り上げられました。赤線は、GHQの指令による公娼制度廃止後も、看板を変えて営業を続けた風俗営業の形態です。

売春防止法制定後

1958年の売春防止法の制定により、売春行為は違法とされました。しかし、法の規制を回避するような、様々な形態の性風俗営業が誕生しました。

トルコ風呂

トルコ風呂は、当初はマッサージなどのサービスを提供するサウナ風呂でしたが、個室制を活かし、性的なサービスが提供されるようになりました。後に「スペシャルサービス」（おスペ）や「本番サービス」（性交）といったサービスが主流となり、取締り当局も次第に黙認するようになったと言われています。様々な性技が開発され、発展を遂げましたが、トルコ人留学生の抗議により、1984年にソープランドに名称変更されました。

ピンクサロン

ピンクサロンは、飲食店として営業許可を取得しており、酒類を提供する店舗です。しかし、多くの場合、性的なサービスが提供されています。

ノーパン喫茶

従業員が下着を着用しない喫茶店です。下着を着用しない女性従業員が接客するのが特徴で、最盛期には多数の店舗が存在しました。1978年または1981年に京都で誕生したという説や、大阪、福岡での発祥説など、諸説あります。サービス内容は過激化していき、射精を伴うサービスもあったとされています。1984年の改正風俗営業法により営業が認められなくなり、多くの店舗がファッションヘルスなどに転業しました。ノーパン喫茶嬢出身の女性が、テレビ番組や映画に出演するなど、社会現象にもなりました。ノーパン喫茶以前には、ヌード喫茶なども存在していました。

ノーパンしゃぶしゃぶ

ミニスカートの下がノーパンの女性店員が接客するしゃぶしゃぶ料理店。

愛人バンク

愛人を持ちたい男性と、愛人になってお金を得たい女性を仲介する業者です。「愛人バンク 夕暮れ族」が社会現象となり、マスコミにも大きく取り上げられました。しかし、警視庁の摘発により壊滅しました。

マントル

マンションの一室などで密かに売春を行う違法な営業形態です。マンション住民からの苦情や摘発リスクから、ホテトルへ移行していきました。

ホテトル

ホテルの一室で売春を行う違法な営業形態です。

性感エステ

マッサージを名目とした性的なサービスを提供する店舗です。近年では女性向けも増加傾向にあります。

SMクラブ

SMプレイを提供する店舗です。様々なプレイが展開されており、客は通常の性風俗では満たせない性癖を満たすことができます。

参考文献

広岡敬一『戦後性風俗大系 わが女神たち』（朝日出版社、2000年）

関連項目

風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律（風適法、風営法）
性風俗関連特殊営業
日の出営業

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