飛鳥井雅典

飛鳥井雅典

飛鳥井雅典（あすかい まさのり）は、江戸時代後期（幕末）から明治時代にかけて活躍した公卿、歌人、華族です。飛鳥井家24代当主として、激動の時代を生きました。官位は正二位・権大納言にまで昇り、その名は歴史に刻まれています。

生涯

飛鳥井家は、代々和歌と蹴鞠を家職とする名門でした。雅典もその伝統を受け継ぎ、幼い頃から歌道に励みました。

幕末の動乱期には、朝廷の一員として国事に奔走します。廷臣八十八卿列参事件に加わったのをはじめ、武家伝奏、国事御用掛などを歴任し、朝廷と幕府の間で難しい交渉役を務めました。文久3年（1863年）には、賀茂社や石清水八幡宮への行幸に供奉しています。

八月十八日の政変では一時参内を停められますが、すぐに赦免され、朝議に復帰。慶応2年（1866年）には、大坂城で病に伏せていた徳川家茂を見舞う勅使を務め、同年12月には徳川慶喜の将軍宣下の際に勅使としてこれを伝宣しました。

王政復古の大号令によって一時参朝を停められますが、明治元年（1868年）に明治天皇の元服に際して赦免され、権大納言を辞任。東京遷幸に供奉し、明治4年（1871年）からは宮内省に出仕しました。

明治7年（1874年）に隠居し、明治16年（1883年）に59歳でその生涯を閉じました。

家族

父は飛鳥井雅久。妻は花山院家厚の娘・梅。長男の雅望は飛鳥井家25代当主となり、伯爵に列せられました。その他、永井直哉に嫁いだ芳子、藤枝雅之、杉貞三、飛鳥井恒麿、大谷勝道、下山忠三郎、石田沢心に嫁いだ生子など、多くの子女に恵まれました。

特に、恒麿は、津守国美の養子となった後、兄・雅望の死後に飛鳥井家を継ぎ、26代当主となっています。その子孫もまた、各界で活躍しました。

飛鳥井雅典の時代

飛鳥井雅典は、幕末から明治という激動の時代を生き、公家社会の一員として、時代の変化に翻弄されながらも、伝統を守り、新しい時代への橋渡し役を果たしました。歌人としても優れた才能を持ち、その作品は今もなお人々の心を打ちます。

参考文献

• - 日本歴史学会編『明治維新人名辞典』吉川弘文館
• - 『平成新修旧華族家系大成』上巻、霞会館編、吉川弘文館、1996年

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