馬忠 (孫呉)

馬忠（ば ちゅう）についての詳細

馬忠は、中国後漢末期に活躍した歴史的な武将で、その生没年は不明とされています。彼は主に潘璋の部下として知られ、特に建安24年12月（西暦220年1月頃）には、章郷の地で劉備の軍の関羽、関平、および趙累を捕らえたことが特筆されています。この大きな戦果は、後の彼の名声を築く上で重要なポイントとなりました。

『三国志演義』における馬忠の描写

馬忠は、羅貫中の小説『三国志演義』でも重要な役割を果たしています。物語の中で、彼は潘璋の部将として位置付けられ、関羽とその愛馬である赤兎馬を捕らえる功績を挙げました。この功績が評価され、彼は孫権から赤兎馬を与えられることになりますが、残念ながら赤兎馬は与えられてすぐに餌を食べずに死んでしまいます（第77回）。

義弟である関羽を失った後、復讐心燃える蜀漢の劉備は、孫権の治める呉に侵攻し、これにより馬忠は潘璋の部隊に留まって再び戦いに参加しました。戦闘の中で、蜀の武将黄忠が潘璋を追撃してきた際、馬忠は彼を弓で射抜き、戦闘の結果、黄忠は戦死します。さらに、関羽の遺児である関興が潘璋を討ち取った後、馬忠は関興に復讐しようと試みますが、乱戦の中で関興を取り逃がしてしまいます。

最後の運命

馬忠の物語には、さらなる驚きの展開が待っていました。その夜、蜀から呉に降った糜芳と傅士仁が馬忠を暗殺し、その首を持って劉備の前に現れ、命乞いをします。しかし、両者は関羽を見捨てて呉に降った過去があるため、劉備に許されることはなく、処刑されてしまいます（第83回）。

このように、馬忠は一連の事件の中で重要な役割を果たしながらも、彼自身の運命もまた波乱に満ちたものでした。彼の物語は『三国志演義』の中でも多くの人々に印象を残しています。彼の行動や決断が、後の三国志の物語にどのように影響を与えたのかを考えると、その評価は一層深まります。

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