馬料水

馬料水（マーリウシュイ）

馬料水（Ma Liu Shui）は、香港新界の地区であり、大埔区の南、[[沙田区]]の北に位置し、吐露港の西に面しています。海岸線沿いは特に白石角（Pak Shek Kok）と呼ばれ、香港中文大学や香港サイエンスパークといった重要な施設が所在します。

歴史

馬料水は、かつては不毛の地であり、東鉄線馬料水駅の北側に客家の村落が存在するのみでした。地名である「馬料水」は、広東語で「馬尿水」と同音ですが、馬の尿とは全く関係がなく、その語源は客家語に由来します。客家語で「遊ぶ」を意味する「嫽（liáu）」という言葉が、かつては使われており、馬が水で遊ぶ様子から「馬嫽水」、すなわち「馬が水で遊ぶ」という意味になったとされています。

この地名の由来には、興味深いエピソードがあります。馬料水村の村民によれば、彼らの祖先は100年以上前に宝安県（現在の香港・広東省にあたる地域）で、税を徴収するために馬に乗って移動していました。赤泥坪に差し掛かった際、馬が水を飲むために立ち止まり、水遊びをしてなかなか動こうとしなかったため、この地に定住することを決めたと伝えられています。この出来事から、この地が「馬嫽水」と名付けられたとされています。ちなみに、その馬は数年後に病死したそうです。

1956年、崇基学院が香港政府から土地を取得し、馬料水に校舎を建設しました。当時の九広鉄路は、そのアクセス駅として馬料水駅を設けました。1963年には、崇基学院を含む3つの大学が合併し、香港中文大学が設立されました。当初、キャンパスは大囲南部の顯田に設置する予定でしたが、後に馬料水に変更されました。キャンパス建設のため、崇基学院は拡張され、馬料水駅は大学駅に改称されました。また、馬料水の客家村落は、龍躍頭と軍地の間にある現在の位置に移転し、馬料水新村と命名されました。この村は、現在では粉嶺郷事委員会に属しています。同年、香港中文大学は付近に雍雅山房を開設しました。

1969年から1973年にかけて、聯合書院や新亜書院といった大学の前身となる施設が崇基山に移転し、中文大学の各学部が揃いました。これにより、キャンパス建設はほぼ完了しました。1980年代には、馬鞍山ニュータウンの開発に伴い、東鉄線大学駅は地元住民の重要な交通拠点となりましたが、2004年12月に馬鞍山線が開通したことで、その地位は低下しました。2005年9月20日には、雍雅山房が閉鎖されました。

現在、馬料水は公衆埠頭があることでも知られています。この埠頭からは週末に東平洲への定期フェリーが運航しており、新界北東部を目的地とする観光ツアーの多くが、ここを発着場所としています。そのため、週末になると埠頭は観光客で賑わっています。1980年代初頭には、深圳市大梅沙までの国際ホバークラフトが運航されていましたが、現在は終了しています。

将来

2017年12月28日、土木開発局は馬料水沿岸の埋め立てに関する技術コンサルタントの報告書を公表しました。この報告書では、約60ヘクタールの土地に11,000戸の住宅を建設でき、34,100人の人口を収容できるとされています。公営住宅と民間住宅の割合は6対4です。しかし、世論調査では[[沙田区]]の住民の95％がこの事業に反対しています。その主な理由は、大埔公路と大老山公路の交通渋滞が深刻で、これ以上の交通容量に耐えられないこと、そして埋立地に建物が建設されることで、沙田への風の通り道が遮断されることが懸念されているからです。

交通

MTR（香港鉄路）

█東鉄線：大学駅

バス

九龍・新界方面：43P、43S、74D、74P、82C、82D、87K、87S、99R、263A、271B、272A、272K、272P、272S、274P、289K、73X（臨時）
ランタオ島・空港方面：A47X

ミニバス

27、27A、27B、29、806A、806B、807A、807C、807K、807S、807X

主要道路

吐露港公路
大埔公路

フェリー（馬料水公衆埠頭）

東平洲（土日午前9時）
吉澳 / 鴨洲（土日午前9時）
茘枝荘、深涌、塔門、高流湾、赤径、黄石

関連項目

馬料水新村
[[沙田区]]
大埔区
* 馬鞍山

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