駒場公園 (目黒区)

駒場公園（こまばこうえん）

駒場公園は、東京都目黒区駒場に所在する目黒区管理の公園です。この公園は、旧侯爵前田利為の邸宅が位置しているため、一般的には「旧前田邸」と呼ばれることもあります。昭和初期に建築された洋館と和館は現在も良好な状態で保存されており、2013年には国の重要文化財に指定されました。

歴史の歩み

駒場地域の歴史は明治時代に遡ります。この地には、当初駒場農学校が存在し、後に東京帝国大学農学部へと変遷し、最終的には本郷に移転しました。その後、旧加賀藩主家である前田侯爵家がこの地に移住し、前田利為の居住地として邸宅が築かれることになりました。1929年に洋館が完成し、続いて1930年には和館も竣工されました。

1942年に前田利為が事故で亡くなると、邸宅は他者に譲渡され、一時的には中島飛行機の本社として利用されました。第二次世界大戦後には米軍に接収され、その後1957年に接収が解除されました。1964年には東京都の所有となり、1967年に駒場公園として整備され一般に開放されました。1975年には目黒区に移管され、現在の姿となっています。

公園の施設

公園内には、主に以下のような施設があります。

• - 旧前田家本邸（洋館・和館）
• - 芝生広場
• - 日本近代文学館

駒場公園はその広さ40,396平方メートルを誇り、目黒区立公園の中で最大の面積を有しているのが特徴です。
特に、旧前田家本邸は重要な文化財として多くの訪問者を魅了します。

旧前田家本邸について

洋館は、前田利為の本邸として1929年に建設され、設計は東京帝国大学の塚本靖教授が手がけました。建築様式はイギリス・チューダー様式に基づいており、外壁は流行していたスクラッチタイルで仕上げられています。内部にはイタリア産大理石のマントルピースやフランス製の織物、イギリスの家具が贅沢に取り入れられ、完成当初より多くの美術品で飾られました。

和館は1930年に竣工し、書院造の和風建築です。設計は帝室技芸員の佐々木岩次郎が担当し、特に海外からの賓客を接待するために建てられました。違い棚や欄間の透かし彫りなど、日本の建築技術が表現されています。

文化財の指定

1991年、洋館は「旧前田侯爵邸洋館」として東京都の指定有形文化財に選定されました。2008年には和館を含む5棟と土地が追加指定され、指定名が「旧前田侯爵家駒場本邸」に変更されました。2013年には、これらの建物が国の重要文化財に指定され、ますますその価値が高まっています。
また、2025年には東京都指定名勝に認定される予定です。

アクセスと周辺施設

駒場公園へは、京王井の頭線の駒場東大前駅から徒歩約8分、小田急小田原線の東北沢駅からも約13分でアクセス可能です。休園日は毎週月曜日と年末年始です。開園時間は午前9時から午後4時30分までとなっています。

近隣には東京大学駒場キャンパスや日本民藝館も位置しており、訪問者は多くの文化的な体験を楽しむことができます。

まとめ

駒場公園は自然と文化が調和した素晴らしい場所であり、旧前田邸の存在がその魅力を一層引き立てています。訪れることで日本の歴史や文化を肌で感じることができるスポットとして、ぜひ足を運んでみてください。

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