騰衝市

騰衝市について

騰衝市（とうしょう-し、英語: Tengchong）は、中国雲南省に位置し、保山市に属する県級市です。この地域は、ミャンマーと国境を接しており、歴史的には貿易の拠点であったことや、第二次世界大戦中の重要な戦いが行われた場所としても知られています。

地理

騰衝市は148.7kmの国境線を持ち、ミャンマーのカチン州の州都ミッチーナーまでの距離は217kmです。市の中心部には大河ダムが存在し、瑞麗江がこの地域を流れています。この川は騰衝市の北東部から南東部へ直線的に流れ、南側では竜陵県との境界を形成しています。瑞麗江はやがてミャンマーのエーヤワディー川につながり、最終的にはアンダマン海に注ぎ込む重要な水系です。

地形的には高黎貢山の南に位置し、火山活動が活発な地域です。市内には馬站火山群があり、温泉地としても知られる「騰衝熱海」は1994年に「騰衝地熱火山風景名勝区」として中華人民共和国の国家重点風景名勝区に指定されました。この地域の独特な自然環境は観光客にとって魅力の一つです。

歴史

騰衝は明代に城壁が築かれ、兵士が駐在したことから歴史が始まりました。清末には、イギリスとの貿易の中心地として商業が栄え、多くの商人が集まりました。そして1980年代以降、ヒスイの取引が再び活発化しました。2015年には騰衝県から市へと昇格したことで、行政的な重要性がさらに増しました。

2012年時点では、騰衝市にはイ族、ペー族、タイ族（中国）、チワン族、ミャオ族、回族など、26種類の少数民族が共存しています。その中でも特にタイ族や回族は世界的に認知された少数民族にあたります。

行政区画

騰衝市では、2つの街道、12の鎮、5つの郷が管理されています。主な街道には騰越街道と西源街道があります。鎮に関しては固東鎮や滇灘鎮、猴橋鎮などがあり、地域ごとの特色が生かされています。郷には馬站郷や五合郷などが含まれています。

交通

騰衝市の交通インフラはしっかりと整備されています。空路では騰衝駝峰空港が利用されており、道路に関しては保騰高速道路や国道G219、G556、さらには省道240や241が整備されています。

健康・医療・衛生

市民の健康を支えるため、騰衝市中医院や騰衝市第二人民医院、騰衝市婦幼保健院などの医療機関が存在し、地域住民の医療ニーズに応えています。

名所・旧跡・観光スポット

騰衝市は観光地としても魅力的です。「騰衝抗戦博物館」や「騰衝青海」、「雲南騰衝火山地熱国家地質公園」、温泉地である騰衝熱海など、多様な観光スポットがあります。これにより、歴史だけでなく自然にも触れることが可能です。

出身者

この地域からは多くの著名人が輩出されており、李根源や李弥などがその代表です。

姉妹都市・友好都市

騰衝市は、日本の黒河市やニュージーランドのノースランド地方など、さまざまな地域と友好関係を築いています。これにより国際的な交流が進められています。

このように、騰衝市は歴史、文化、自然が融合する魅力的な地域であり、訪れる価値があります。

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