高千穂河原

高千穂河原（たかちほがわら）

高千穂河原は、鹿児島県霧島市に位置し、霧島山の中岳と御鉢の間に広がる場所です。古くは「瀬多尾越」と呼ばれ、中世には霧島神宮がこの地にありました。御鉢の噴火により焼失したものの、現在も古宮址がその歴史を物語っています。

地理

高千穂河原は、霧島山への登山拠点の一つであり、御鉢や高千穂峰方面への登山道が整備されています。霧島錦江湾国立公園内に位置し、自然公園法により一部が特別地域に指定されています。一帯は霧島神宮の土地であり、鹿児島県が借地しています。また、ミヤマキリシマの群生地やキャンプ場も整備されており、自然を楽しむ人々で賑わいます。

高千穂河原ビジターセンターは、1984年に開設され、2022年にリニューアルオープンしました。この施設は、高千穂河原の自然や歴史に関する情報を発信し、利用者のサポートを行っています。

古宮址と天孫降臨御神火祭

かつて霧島神宮があった場所は古宮址と呼ばれており、毎年11月10日夕刻には天孫降臨御神火祭が開催されます。この祭りは、天孫ニニギノミコトが高千穂峰に降臨した際、猿田毘古神が火を焚いて迎えたという神話にちなんだものです。祭壇前で御神火が焚かれ、神職が祈願札を火にくべる様子は荘厳です。また、天孫降臨九面太鼓も奉納されます。

歴史

霧島神宮は、かつて高千穂峰と御鉢の間、現在の瀬多尾と呼ばれる場所にありました。しかし、御鉢の噴火により度々焼失し、788年の噴火で完全に焼失しました。その後、性空によって高千穂河原に再興されましたが、1234年の噴火により再び焼失しました。その後、霧島神宮は別の場所で再建され、高千穂河原には社殿の跡地のみが残っています。

1940年には、皇紀2600年記念事業の一環として斎場が設けられました。1958年には駐車場が整備され、観光拠点として発展しました。1962年には、当時の皇太子明仁親王と皇太子妃美智子が高千穂河原を訪れ、多くの人々が歓迎しました。

所在地

鹿児島県霧島市霧島田口2583-12（高千穂ビジターセンター）

脚注

[1]

関連項目

霧島神宮
霧島山
高千穂峰
御鉢

参考文献

* 霧島町郷土誌編集委員会編　『霧島町郷土誌』　霧島町、1992年。

外部リンク

高千穂河原ビジターセンター

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