高山城 (美濃国)

高山城の概要

高山城（たかやまじょう）は、美濃国（現在の岐阜県土岐市）にあった中世の山城で、別名、土岐高山城とも呼ばれます。標高181メートルの全山が泥板岩で形成された山の上に築かれ、三方が断崖絶壁という天然の要害を誇ります。土岐川を見下ろすその立地は、戦略的に非常に重要な場所でした。

城の構造

城へのアクセスは、急な坂道を登ることから始まります。木戸跡や城門跡を通り抜けると、出丸に到着します。出丸は二の丸へと続き、ここには大井戸の跡が残っています。本丸は二の丸よりも約3メートル高い場所に位置し、南側の三の丸からの敵を防ぐための櫓跡の土居が築かれていました。かつて屋敷があったとされる場所は、宅地開発により現在は確認することができません。

歴史

高山城の歴史は、暦応年間（1338年～1342年）に高山秀頼によって砦が築かれたことに始まります。当初は、美濃国の中枢であった浅野や大富の土岐氏の居館を守るための要塞としての役割を担っていました。室町幕府の成立後、土岐氏と共に幕府に仕え、戦国時代には、数々の戦いの舞台となります。

特に重要な戦いとして、天文21年（1552年）には、城主の高山光俊が亡くなった後、小栗重則が城を占領しようとした事件があります。この時、遠山景前が武田信玄に助けを求め、武田勢が派遣されます。遠山氏や小里氏らの活躍により、小栗勢を撃退し、逆に御嵩城を落城させ、この地域は武田氏の勢力下に入ります。その後、弘治2年（1556年）には、平井光行が武田信玄から高山城を与えられます。

元亀元年（1570年）には、武田勢が三河へ進軍する際、平井光行は遠山・徳川方として上村合戦に参加。しかし、武田方に捕らえられ処刑されます。天正2年（1574年）には、武田勝頼の軍勢が高山城を攻め落とし、平井頼母は逃亡します。しかし、天正3年（1575年）には織田信長によって森長可が派遣され、頼母も復帰します。

本能寺の変後、平井頼母らは森長可を討とうとしますが失敗。天正11年（1583年）には森長可に降伏し、その配下となります。しかし、小牧・長久手の戦いの後、高山城は徳川氏の手に渡り、平井頼母は城と領地を失います。その後、豊臣秀吉と織田信雄の和睦により、高山城は森忠政が取り戻します。平井頼母は高山城下の屋敷に住んでいたようですが、天正13年（1585年）に没します。一説には、森氏家老の林為忠によって謀殺されたとも言われています。

慶長5年（1600年）の関ヶ原の戦いでは、東軍に属した妻木頼忠が、西軍の田丸勢を破り高山城を奪取します。しかし、慶長20年（1615年）の一国一城令によって、高山城は廃城となりました。

現在の高山城

現在、高山城跡では、毎年10月初旬に「高山城戦国合戦まつり」が開催されています。また、城跡は「岐阜県環境保全モデル森」として整備されており、里山林の再生モデルとしての役割も担っています。

歴代城主

高山城の主な城主は以下の通りです。
高山伊賀守秀頼（初代）
高山伊賀守光俊（6代）
平井宮内少輔光行
平井頼母
森長可
森忠政
田丸直昌（城代：木原清兵衛）
妻木頼忠（城代：中垣助右衛門）
妻木頼利
妻木頼次

アクセス

高山城跡へは、JR中央本線土岐市駅から徒歩約20分でアクセスできます。

参考文献

『土岐津町誌』
『土岐市史 1 (原始時代-関ケ原合戦)』
『美濃国土岐郷「高山城」の考察 : 老人物語「東濃天正記」をもとに』
『美濃古戦記史考 : 六古記原文とその注釈』
* 『御嵩町史』

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