高梨公之

高梨公之

高梨公之（たかなし まさゆき）は、1915年（大正4年）3月2日に生まれ、2005年（平成17年）1月14日に亡くなった日本の法学者です。日本大学の名誉総長を務め、法学博士の学位を持ち、弁護士としても活動しました。紫綬褒章と従三位勲一等瑞宝章を受章しています。栃木県出身。

人物

高梨公之は、民法、特に家族法と婚姻法の分野において、数多くの重要な研究で知られています。彼の監修した『口語民法』は、法律を一般の人々にも分かりやすく解説したことで、非常に長く読まれるロングセラーとなりました。また、日大紛争の時代には、当時日本大学の大学院生であった小沢一郎に対し、司法試験の指導と論文指導を行いました。2005年1月14日、肺癌のため89歳で逝去しました。

略歴

1915年（大正4年）：栃木県に生まれる。
1937年（昭和12年）：文官となり、高等文官試験の司法科に合格。
1938年（昭和13年）：日本大学法文学部法律科を卒業。
1940年（昭和15年）：日本大学予科の講師に就任。
その後、日本大学法文学部教授に就任。
1962年（昭和37年）：「日本婚姻法論 民法における婚姻の自由とその社会的基礎についての一研究」で日本大学から法学博士の学位を取得。
日本大学法学部長、日本大学理事を歴任。
1969年（昭和44年）：日大紛争後の混乱を収拾するため、日本大学理事長に就任。
日本大学副総長。
1984年（昭和59年）：第7代日本大学総長に就任。
法制審議会委員、日本学術会議会員、大学設置審議会委員なども務める。
放送大学学園理事。

著書

高梨公之は、多数の著書を執筆しています。以下はその一部です。

『債権法各論 1』春陽堂書店、1941年
『日本婚姻法論 民法における婚姻の自由とその社会的基礎についての一研究』有斐閣、1957年
『各種の契約の仕方と書き方』自由国民社、1959年
『民法概論』新生社、1960年
『法学 現代法に関する12講』有信堂、1962年
『蛮氏の民 随想集』新生社、1965年
『民法の考え方』日本評論社、1965年
『法と人と 随想集』新生社、1967年
『法の名言とことわざ集 古今東西の法の名言とことわざの出典・背景・事件・人物のすべて』正続、朝日書店、1969年
『民法の話』日本放送出版協会、1969年
『法の名言とことわざ集 その背景・事件・人物のすべて』日本ライフブックス、1973年
『法格言集』評論社、1975年
『日本婚姻法史論 日本における婚姻の実態とその変遷についての一考察』有斐閣、1976年
『法律雑学のたのしみ 世界の民俗と古典に法をたずねて』自由国民社、1976年
『名前のはなし』東京書籍、1981年
『若処子』日本大学、1987年
『山田顕義伝 日本近代化にかけた五十年』パナ出版企画、1994年

共編著

『改正民法要説』永田菊四郎共著、新自由社、1948年
『法律は生きている』編、井上書房、1960年
『私法の法社会学』編、法律文化社、1962年
『最近21ヵ年・司法試験模範解答集 その重要点と考え方』編、高文社、1965年
『最新・司法試験模範解答集 その重要点と考え方 最近21ヵ年』編、高文社、1966年
『法学講義』峯村光郎,和田英夫共編、青林書院新社、1969年
『差をつける法律常識Q&A ライフステージ別・身近におこる112事例』高梨俊一共著、講談社、1985年

記念論集

『婚姻法の研究』高梨公之教授還暦祝賀論文集刊行発起人会編、有斐閣、1976年

外部リンク

日本大学歴代総長

高梨公之は、日本の法学界において重要な役割を果たした人物であり、その研究と教育への貢献は多大なものでした。彼の著作は、法律を学ぶ人々にとって貴重な資料であり、また、一般の人々にも法律への理解を深めるきっかけを提供しました。

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