高江町

高江町

高江町（たかえちょう）は、鹿児島県薩摩川内市に位置する町です。かつては薩摩国薩摩郡に属し、旧高江村の中心地でした。人口は約1,100人（2020年時点）で、川内川の恵みを受けた豊かな自然と歴史が息づく地域です。

地理

薩摩川内市の西部に位置し、川内川の下流域から河口付近にかけて広がっています。町の北側には小倉町や湯島町、南側にはいちき串木野市、西側には寄田町や久見崎町、東側には青山町や宮里町が隣接しています。

特に特徴的なのは、川内川沿いに広がる水田地帯です。この地域はかつて沼地でしたが、江戸時代に大規模な干拓工事が行われ、現在の水田が形成されました。この干拓によって造られた水田は「高江水田」と呼ばれ、今もなお地域の農業を支えています。また、干拓の際に築かれた長崎堤防は、その独特な形状が評価され、土木学会選奨土木遺産にも指定されています。

高江水田は低地に位置するため、過去には水害や塩害の被害も受けましたが、現在では国の特別天然記念物であるタンチョウの越冬地としても知られるようになりました。町の北部には川内川が流れ、その周辺には県道43号線が東西に走っています。

また、町内には南九州西回り自動車道の薩摩川内高江ICが設置されており、交通アクセスにも恵まれています。

町名の由来

「高江」という地名は、干拓が行われる前、川内川の入り江が深く入り込み、周囲を高い丘に囲まれた地形であったことに由来します。高い岡に囲まれた入り江であったことが、「高江」という名前の由来です。

歴史

高江の地名は南北朝時代から見られ、当初は宮里郷の一部でした。この地を治めた高江氏は、宮里氏の支族であり、宮里氏の領土から分譲されて移住し、高江氏を名乗ったと伝えられています。

鎌倉時代には、峯城合戦と呼ばれる戦いの舞台となり、その後は入来院氏の支配下に入りました。戦国時代になると、入来院氏は高江や宮里を島津氏に譲り、島津氏の直轄領となりました。

江戸時代には、薩摩藩の直轄領として高江村が置かれました。村高は時代によって変動し、嘉永年間には半手（61名）の郷士が配置されました。これらの郷士は、戊辰戦争にも参加しています。

明治時代に入ると、1889年の町村制施行に伴い、高江村が成立しました。その後、1956年には川内市に編入され、高江村は川内市の町「高江町」となりました。2004年には、周辺の町村と合併し、現在の薩摩川内市の一部となっています。

人口

1995年以降の人口推移を見ると、徐々に人口減少が進んでいます。しかし、地域コミュニティは維持されており、自然豊かな環境で人々が生活を営んでいます。

施設

町内には、薩摩川内市立峰山小学校、高江保育園といった教育機関や、高江郵便局などの生活施設があります。また、南方神社、高江法隆寺、熊野神社など、歴史ある寺社も点在しています。

教育

薩摩川内市立峰山小学校
高江保育園

郵便局

高江郵便局

寺社

南方神社
高江法隆寺
熊野神社
護国神社
秋葉神社
小野神社

交通

道路

南九州西回り自動車道（薩摩川内高江IC）
鹿児島県道43号川内串木野線

出身人物

木元規矩男（実業家、ラグビー選手）

関連項目

* 高江村

高江町は、豊かな自然と歴史に彩られた、魅力あふれる地域です。干拓によって生まれた水田は、今もなお農業を支え、タンチョウの越冬地としても重要な役割を果たしています。歴史的な経緯と美しい自然が調和した、独特の景観が特徴です。

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