高田駅 (新潟県)

高田駅

新潟県上越市仲町に位置する高田駅は、えちごトキめき鉄道（ETR）妙高はねうまラインが乗り入れる駅です。

概要

高田駅がある上越市の高田地区は、江戸時代に高田藩の城下町として発展した歴史を持つ街です。

上越市には、海岸部にあり在来線のターミナルとして機能する直江津駅や、2015年（平成27年）に北陸新幹線の停車駅として開業した上越妙高駅など、鉄道の要衝となる駅があります。これに対し高田駅周辺の高田地区中心部は、上越市の中心市街地の一つとして、大規模な商店街や国・県の出先機関、高等学校などの教育施設が集まる地域です。このため、高田駅は上越市南部の中心駅として位置づけられています。なお、上越市役所の本庁舎（木田庁舎）へは、高田駅と直江津駅の間に位置する春日山駅が最寄りとなります。

JTB時刻表では高田駅を中心駅とされており、上越市内では最も多い利用者を誇ります。

北陸新幹線開業前、当駅は東日本旅客鉄道（JR東日本）信越本線の駅でした。新幹線開業に伴う並行在来線の経営分離により、えちごトキめき鉄道へ移管されました。JR時代には自動改札機が設置されていましたが、移管時に維持費の問題などから撤去されています。

歴史

高田駅は、1886年（明治19年）8月15日に国鉄の駅として開業しました。

戦後の歴史では、1947年（昭和22年）10月12日に高田市を訪れた昭和天皇の戦後巡幸に際し、当駅から上田駅へ向かうお召し列車が運行されました。また、1964年（昭和39年）6月10日には、国民体育大会のために県内を行幸啓された昭和天皇・香淳皇后の高田駅発田口駅行きのお召し列車が運行されています。

駅舎については、1952年（昭和27年）9月15日に改築工事が始まり、同年12月に新駅舎が竣工し、26日に落成式が行われました。駅前広場の舗装は1963年（昭和38年）1月13日に実施されています。

駅構内の施設として、1978年（昭和53年）12月27日には喫茶・軽食の「グリーンたかだ」が開店し、1985年（昭和60年）7月20日には駅前広場脇に国鉄直営のラーメン店「ラーメン壱番館」が開業しました。また、1979年（昭和54年）12月には立体式自転車駐輪場が設置されています。

貨物取扱は1984年（昭和59年）2月1日に廃止されました。

国鉄分割民営化に伴い、1987年（昭和62年）4月1日からは東日本旅客鉄道（JR東日本）の駅となりました。JR時代末期の2005年（平成17年）12月1日には自動改札機の運用が開始されました。

駅周辺の整備も進められ、2002年（平成14年）4月4日には上越市の「駅前雁木建設事業」により、雁木型アーケードの駅前広場部分が完成しています。

2010年（平成22年）12月24日には現在の跨線橋の使用が始まりました。この跨線橋は後述の駅西口整備事業の一環として整備されたものです。

そして2015年（平成27年）3月14日、北陸新幹線の長野～金沢間延伸に伴い、並行在来線であった信越本線から分離され、えちごトキめき鉄道へ移管されました。これに伴い、自動改札機は前日の3月13日をもって運用を終了しました。

移管後の動きとして、2017年（平成29年）5月1日にはJR線発券システムがビジネスえきねっとからマルス端末に更新され、2018年（平成30年）3月17日のダイヤ改正では、あいの風とやま鉄道線・日本海ひすいラインからの直通列車が設定されています。

駅周辺の整備事業

高田駅前広場内の歩行者道は、1999年度（平成11年度）から上越市が取り組んだ「高田駅前雁木建設事業」によって整備された雁木型アーケードで覆われています。この事業は、高田地区の玄関口にふさわしい都市景観の形成と、歩行者・駅利用者の環境改善を目的に行われました。既存駅舎を活かしたこのアーケードは、「城下町」をテーマにデザインされていますが、駅正面部分には東京駅丸の内駅舎のイメージも取り入れられ、赤レンガ風のタイルが使用されています。

現在、駅の出入口は東側のみですが、上越市では駅西側の寺町を含めた街並み整備や回遊性向上を目指し、「中心市街地（高田地区）活性化基本計画」に基づいた「高田駅西口整備事業」を2006年度（平成18年度）から進めています。将来的には橋上駅舎への改築も視野に入れています。2010年に完成した現在の跨線橋も、この西口整備事業の一環として、市の交通バリアフリー構想に基づき整備されたもので、建設費用の一部には市の補助金が充てられました。

駅構造

高田駅は、単式ホーム1面1線と島式ホーム1面2線を合わせた計2面3線を有する地上駅です。駅舎は単式ホームの東側にあり、各ホーム間は南側に設置された跨線橋で結ばれています。

えちごトキめき鉄道の直営駅（社員配置駅）であり、駅構内には以下のような設備があります。

タッチパネル式自動券売機
窓口（営業時間 7：00 - 18：00）
有人改札口
売店「NewDays」
化粧室
自動販売機
待合室
観光案内所

窓口では、ETR線の乗車券やオリジナルグッズのほか、マルス端末が設置されているため、全国のJR線の乗車券、特急券（自由席・指定席・グリーン券）、特別企画乗車券（えちごツーデーパスなど）の購入も可能です。また、バリアフリー対策として、跨線橋にはエレベーターが2基設置されています。

経営分離前

JR東日本時代の高田駅は、新潟支社が管理する直営駅で、駅長が配置された単駅管理体制でした。改札口には自動改札機が5通路分設置されていましたが、ETRへの移管に伴い使用を終了しました。

また、JRグループ内には、和歌山線の高田駅（たかだえき）と長崎本線の高田駅（こうだえき）という同表記の駅が存在するため、区別のため当駅発着の乗車券類には「（信）高田」と印字されていました。

のりば

ホームは東側から順に以下の通り配置されています。

1番のりば：妙高はねうまライン 下り（新井・妙高高原方面）
2番のりば：妙高はねうまライン 上り（直江津方面）
3番のりば：予備ホーム

3番のりばを発着する定期列車はありませんが、毎年4月上旬から中旬にかけて運行される臨時快速列車「高田お花見号」や、観光列車「雪月花」などの臨時列車の入線に使用されます。3番のりばの西側には車庫と側線が1線ずつあり、そのうち北側（直江津寄り）に接続する側線は電化されています。

利用状況

2023年度（令和5年度）の1日平均乗車人員は2,060人です。この数値は、上越市内では最も多くなっています。

駅周辺

高田駅周辺は、高田城の城下町として発展した高田地区の中心地です。駅舎に面する東側は中心市街地が広がっています。

駅前やその周辺には、雁木や前述の雁木型アーケードを持つ通りがあり、飲食店や金融機関などが集積した商店街が形成されています。また、公共施設も多く立地しています。駅から東へ1キロメートルほど歩くと、高田城跡を整備した高田城址公園があり、その内部や周辺には、高田高校、高田北城高校、高田南城高校、上越総合技術高校といった4つの県立高校や上越教育大学附属中学校など、教育機関が集まっています。さらに、陸上自衛隊高田駐屯地も所在しています。

かつては、本町通り商店街沿いに長崎屋高田店、上越大和、いづも屋百貨店といった大型商業施設が立ち並んでいましたが、これらはすべて閉店し、現在はあすとぴあ高田やイレブンプラザなどの再開発ビルに姿を変えています。

駅の西側は住宅街ですが、城下町の面影を残す寺院が多く集まる寺町が形成されています。かつて西側にも出口を設ける構想がありましたが実現せず、現在も駅を利用するには東側へ大きく迂回する必要があります。

バス路線

高田駅前からは、以下のバス路線が発着しています。駅前ロータリー東側には「高田駅前案内所」バス停もあります。（情報は2020年4月時点）

「高田駅前」「高田駅前案内所」バス停より発着

高速バス（県内）
【ときライナー】J 上越線

高速バス（県外）
東京 - 上越線

路線バス（頸城自動車）
1 上越大通り線
6 富岡線

路線バス（くびき野バス）
22 増田線 ※平日のみ運行
41 宮口線
43 真砂・岡田線 ※平日のみ運行
44 高田・浦川原線
45 水科・今保線 ※平日のみ運行
46 島田線
47 清里線
48 高田南循環線 ※平日のみ運行

隣の駅

えちごトキめき鉄道 妙高はねうまライン

特急「しらゆき」・観光列車「越乃ShuKura」停車駅
■快速（土休日のみ運転、臨時列車扱い）・■普通（「おかえり上越」も含む）
南高田駅 - 高田駅 - 春日山駅

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