高須四郎

高須四郎の生涯と業績

高須四郎（たかす しろう、1884年10月27日 - 1944年9月2日）は、日本の海軍の軍人として著名な存在であり、最終的には海軍大将に至った。彼は1884年、茨城県の桜川村に生まれ、旧制土浦中学校を経て1907年に海軍兵学校35期を卒業しました。

幼少期から軍人へ

高須は172人中10位の成績で卒業後、海軍に奉職しました。1917年には海軍大学校の甲種学生として更なる教育を受けました。彼のキャリアは一貫して海軍における教育と実務経験が重なり、1923年には在イギリス大使館付武官補佐官に任命されたことが、その国際的な視野の広がりを示しています。

軍事的な指導力と重要な出来事

1932年の五・一五事件では、軍令部出仕として軍法会議の判士長を務めました。この事件の結果、彼は軍内部の亀裂を生じさせないために、死刑判決を一度も下さなかったことに苦渋しており、その後の二・二六事件の引き金になったとの批判を心に抱えていました。

高須はその後も日独伊三国軍事同盟や日米開戦に反対するなど、深い見識を持つ指導者でした。1937年には日中戦争が勃発し、彼は第一航空戦隊司令官として上海地区での陸戦隊支援に従事しました。彼はまた、駐満海軍部の最後の指揮官としても活躍し、満洲帝国海上部隊との連携を図りました。

重要な役職と指揮

高須は1938年に海軍中将に昇進し、海軍大学校の校長に任命されました。1939年には第五艦隊司令長官、さらに第二遣支艦隊司令長官も務めます。その後、彼は内南洋を担当する第四艦隊長官となります。

特筆すべきは、1941年に第一艦隊司令長官に就任し、太平洋戦争の勃発時に「呉艦隊」「柱島艦隊だ」と揶揄される状況下で指揮を執ったことです。彼は連合艦隊の重要な時期に責任を持ちましたが、戦場が与えられなかったことが、彼の戦略に影を落としました。

晩年と死

1942年には南西方面艦隊司令長官、1943年には第十三航空艦隊司令長官に任命され、最終的に1944年3月には海軍大将に昇進しました。同年6月には軍事参議官としての役割も果たしましたが、その直後に亡くなります。高須は1944年9月2日に東京で病により死去し、功二級金鵄勲章を受賞しました。彼の遺骨は青山霊園に埋葬されています。

家族

高須の家族も軍に関わっていました。長男は水上機母艦「日進」の主計長であり、沈没時に戦死しました。一方、彼の二男である敏行は日本大学の経済学部教授となり、その後の世代にも影響を与えました。

高須四郎の生涯は、日本の海軍の歴史において重要な位置を占め、多くの業績を残しました。彼の戦略的指導力や、戦争時の判断は、後世にわたって語り継がれることでしょう。

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