髙田次郎

髙田 次郎

髙田 次郎（たかだ じろう）は、日本の喜劇界において長きにわたり活躍を続ける俳優です。1931年12月10日、兵庫県神戸市に生を受けました。松竹新喜劇に所属し、その温かみのある演技で多くの観客を魅了しています。

経歴

立命館大学を卒業後、髙田氏は演劇の世界へと足を踏み入れます。初めは「神戸道化座」や「松竹新春座」といった劇団で経験を積み、1957年には「松竹家庭劇」の旗揚げに加わりました。この時期に培った演技の基礎が、その後のキャリアの礎となります。

1967年からは活動の場を広げ、松竹芸能に籍を移しました。この頃からテレビドラマへの出演が増え、全国的な知名度を獲得していきます。多くの人気ドラマで重要な役柄を演じ、お茶の間でも親しまれる存在となりました。

その後、演出家・花登筺が主宰する「劇団喜劇」での活動を経て、1982年からは古巣ともいえる「松竹新喜劇」に所属します。松竹新喜劇に移籍後は、再び舞台を中心に活動を展開し、その卓越した演技力と存在感で、同劇団を支える柱の一人として現在に至るまで活躍を続けています。

病との闘い、そして復帰

2014年には、食道癌を患っていることが明らかになります。同年7月に出演が予定されていた新橋演舞場での公演を降板せざるを得ない状況となりましたが、驚異的な回復力を見せ、わずか数ヶ月後の同年9月には、大阪松竹座での「道頓堀パラダイス」公演で無事に舞台復帰を果たしました。この復帰劇は、多くのファンに勇気と感動を与えました。

主な出演作品

髙田氏は、テレビドラマ、舞台ともに数多くの作品に出演しています。その代表的な出演作の一部を以下に挙げます。

テレビドラマ

『細うで繁盛記』
『船場』（関西テレビ、1967年 - 1968年）
『素浪人 花山大吉』第31話（NET、1969年）
『遠山の金さん捕物帳』（NET、1970年 - 1971年） - 第11話、第67話
『銭形平次』（フジテレビ、東映、1968年 - 1971年） - 第99話、第276話
『紫頭巾』第11話（東京12チャンネル、1972年）
『あかんたれ』シリーズ（東海テレビ、1976年 - 1978年） - 治三郎 役
『どてらい男』（関西テレビ、1973年 - 1977年） - 竹田 役
『続・おくどはん』（朝日放送、1979年） - 野口 役
『ぬかるみの女』シリーズ（東海テレビ、1980年 - 1981年） - 橋本 役
『華の宴』（よみうりテレビ、1991年 - 1992年）
『鮎のうた』（NHK、1979年） - 浜中保太郎 役
『夫婦善哉』
連続テレビ小説『オードリー』（NHK、2000年 - 2001年） - 朝倉武雄 役
『裸の大将』第62話（関西テレビ / 東阪企画、1993年） - 益田住職 役
『蛍の宿』（TBSテレビ、1997年）

舞台

『新夫婦善哉』
『喜劇道頓堀物語』
人情喜劇 『母の子守歌』（吉幾三特別公演、新宿コマ劇場、2005年）
吉本百年物語「百年感謝 これからもよろしく」（なんばグランド花月、2013年）
『道頓堀パラダイス〜夢の道頓堀レビュー誕生物語〜』（大阪松竹座、2014年） - 病からの復帰公演
『お祭り提灯』（松竹新喜劇錦秋公演、大阪松竹座、2021年）

多岐にわたるジャンルで、それぞれの役柄を演じ分ける髙田氏の演技は高く評価されており、日本の演劇界、特に喜劇の分野において、その存在感は揺るぎないものとなっています。

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