鶴田皓

鶴田皓（つるた あきら）

鶴田皓は、天保6年（1836年）に佐賀藩多久邑で生まれ、明治21年（1888年）に54歳で亡くなった、幕末から明治にかけての法制官僚です。元老院議官を務め、日本の近代法典編纂に大きく貢献しました。

幼名は弥太郎、字は玄縞、号は斗南と称しました。父は多久家家臣の鶴田斌で、実業家・炭鉱技術者の高取伊好は弟にあたります。

学問への道

幼少期は草場船山に学び、その後、嘉永6年（1853年）には江木鰐水に師事しました。安政元年（1854年）には昌平黌で安積艮斎に学び、万延2年（1861年）には木下犀潭から中国法を学びました。これらの学びを通して、彼は幅広い知識と深い学識を身につけました。

法制官僚としての活躍

明治2年（1869年）に大学校に入り、大学少助教となった後、刑部大録として「新律綱領」の編纂に携わりました。明治5年（1872年）には明法助として「改定律令」の編纂に尽力しました。同年、江藤新平の命により、司法省調査団の一員として井上毅らと共にフランスへ渡り、ギュスターヴ・エミール・ボアソナードの講義を受けました。この経験が、後の日本の法典編纂に大きな影響を与えました。

帰国後は、明治7年（1874年）に明法権頭、明治8年（1875年）に司法大丞一等法制官、明治10年（1877年）には太政官大書記官と、要職を歴任しました。明治12年（1879年）には一等法制官、検事兼元老院議官となり、東洋大日本国国憲按の起草にも参加しました。

明治14年（1881年）には、大審院検察長、陸軍刑法審査員、海軍軍律刑法審議員を兼任し、陸軍刑法、海軍刑法、旧商法などの起草に携わりました。明治15年（1882年）には参事院議官、明治18年（1885年）には元老院議官に復帰するなど、日本の法整備に尽力しました。

教育者としての側面

鶴田皓は、東京帝国大学法学部講師や明治法律学校名誉校員も務め、後進の育成にも力を注ぎました。彼の指導を受けた多くの学生が、日本の法曹界で活躍しました。

人物像とエピソード

鶴田皓は、その学識の高さと誠実な人柄で、多くの人々に信頼されました。明治15年（1882年）には、古賀謹一郎父子、市川兼恭、津田真道、赤松則良らと高畠五郎宅で小宴を開き、記念写真を撮影したというエピソードからも、彼の交友関係の広さが窺えます。

栄典

鶴田皓は、その功績により、従五位、正四位、従三位と位階を進め、明治20年（1887年）には勲二等旭日重光章を授与されました。


鶴田皓は、幕末から明治にかけての激動期において、日本の近代法典編纂に多大な貢献をした人物として、その名を歴史に刻んでいます。

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