鶴見岳

鶴見岳について

鶴見岳は、大分県別府市にそびえる標高1,375mの活[[火山]]であり、日本三百名山にも選ばれています。阿蘇くじゅう国立公園内に位置し、別府湾からは、背後にそびえる由布岳と並んで美しい姿を望むことができます。春にはミヤマキリシマが咲き誇り、秋には紅葉、冬には霧氷と、四季折々の自然が楽しめます。

山頂へは、別府ロープウェイを利用することで、中腹の別府高原駅から約10分でアクセス可能です。山頂からは、別府市街や別府湾、由布岳、九重連山といった壮大な景色を眺めることができます。晴れた日には、遠く四国まで見渡せることもあります。

山頂には、火男火売神社（通称：御嶽権現）の奥院や、七福神が祀られており、古くから信仰の対象となってきました。

歴史と温泉

鶴見岳は、別府温泉の源泉としても知られており、その歴史は古代にまで遡ります。『豊後国風土記』や『万葉集』には、現在の柴石温泉にある血の池地獄にあたる「赤湯の泉」や、鉄輪温泉の地獄地帯にあたる「玖倍理（くべり）湯の井」についての記述があります。

『伊予国風土記』の逸文には、大国主命が鶴見山麓から湧く「速見の湯」を海底の管を通して道後温泉へ導き、少彦名命の病を癒したという神話が記されています。771年に創建されたとされる火男火売神社は、鶴見岳の2つの山頂を神体山として、火之加具土命と火焼速女命の二柱の神を祀っており、別府八湯の守り神として崇められています。

府内大橋からの眺めでは、由布岳と鶴見岳が重なり、稜線が透けて見えるような錯覚を起こします。これは、手前の小鹿山の稜線が、由布岳と鶴見岳の稜線に偶然重なることで生じる現象です。

噴火活動

鶴見岳は約9万年前に活動を開始した火山で、主な岩石は安山岩やデイサイトです。南北約5kmにわたる溶岩ドーム群の南端に位置し、北端には伽藍岳があります。2003年の気象庁の調査により、伽藍岳を含めた範囲が活[[火山]]として認識されるようになり、現在では「鶴見岳・伽藍岳」として扱われています。

過去には、山頂での噴火や、水蒸気爆発などが記録されており、771年には伽藍岳で発生した水蒸気噴火による泥流で、多くの死傷者や家屋の損壊が発生しました。

現在も、鶴見岳山頂付近には噴気孔があり、1974年からは継続的な噴気活動が観測されています。また、伽藍岳では泥火山が形成され、活発な活動を続けています。

イベント

鶴見岳では、毎年冬に「鶴見岳大寒がまん大会」が開催され、氷のイスに座ってかき氷を食べる競争や、氷水に手を浸して針に糸を通す競争、氷柱に抱きつく耐久競争など、寒さを楽しむユニークなイベントが行われています。

また、毎年4月には、海抜0mから山頂までを登山する「べっぷ鶴見岳一気登山大会」が開催されます。この大会では、体力自慢の参加者がタイムを競う「いだてん天狗タイムレース」や、ゆっくり山頂を目指す「のびのびさくらウォーク」、ふもとまでの健康ウォーキングコースなど、様々なレベルの参加者が楽しめるコースが用意されています。

その他の情報

鶴見岳は、立地の良さから、各放送局や警察庁の通信施設、県防災行政無線などの中継所としても利用されています。また、大分県デジタルネットワークセンターの区域外再放送の受信施設が設置されており、北九州局や久留米局の電波を県内のケーブルテレビ局に配信する役割も担っています。

関連情報

伽藍岳
由布岳
別府ロープウェイ

外部リンク

鶴見岳・伽藍岳 - 気象庁
鶴見岳・伽藍岳の火山観測データ 気象庁
日本活[[火山]]総覧(第4版)Web掲載版 鶴見岳・伽藍岳 (PDF) - 気象庁
* 日本の火山 鶴見岳 - 産業技術総合研究所 地質調査総合センター

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