鹿児島県道349号手打藺牟田港線

鹿児島県道349号手打藺牟田港線

鹿児島県道349号手打藺牟田港線は、薩摩川内市下甑町手打から同市鹿島町藺牟田に至る、下甑島の東海岸沿いを南北に結ぶ主要な一般県道です。この道路は、甑島列島における「甑島縦貫道」の一部を構成し、島内の交通網において重要な役割を担っています。

概要

この県道は、下甑島の東海岸沿岸部を縦断しており、美しい海岸線と豊かな自然の中を走ります。起点となる手打港周辺から終点の鹿島港付近までを結び、島内の主要な集落や施設へのアクセスを可能にしています。また、この道路は、鹿児島県道348号桑之浦里港線（上甑島）、鹿児島県道351号鹿島上甑線（上甑島 - 下甑島）と連携し、甑島全体の交通ネットワークを形成しています。

路線データ

起点: 薩摩川内市下甑町手打（手打港付近）
終点: 薩摩川内市鹿島町藺牟田（鹿島港付近、鹿児島県道351号鹿島上甑線起点）

歴史

県道認定前の状況

県道として認定される以前、下甑島では集落間の移動は主に船や徒歩に頼っていました。1947年時点では、手打から青瀬の間にかろうじて道幅1～2mの道があった程度で、他の場所は道幅1m以下の小道しかありませんでした。下甑島北部の鹿島村も同様に、山が険しく平地が少ない地形から、海上交通が主な移動手段であり、道路は集落内の小道程度でした。

県道認定と道路整備

1960年4月13日、「鹿児島県告示第335号」によって、薩摩郡下甑村大字手打から藺牟田港までの区間が、一般県道手打藺牟田港線として認定されました。県道認定後、道路整備が順次進められ、1969年には下甑村大字青瀬から大字長浜までの区間が、1972年には下甑村大字青瀬から大字手打までの区間が開通しました。また、1972年の「路線番号決定公告」により、路線番号349号が付与されました。

藺牟田港がある鹿島村は、1950年に下甑村から分村するまで同じ村でしたが、当時は陸路での往来が困難でした。1950年の鹿島村分村の理由の一つとして、「下甑村の中心集落である手打と陸路での連絡が困難」であったことが挙げられるほど、交通網が未整備な状況でした。

1982年、芦浜トンネルが開通したことで、手打藺牟田港線が全線開通し、鹿島村と下甑村の間が初めて自動車で往来可能になりました。

2010年3月26日には、手打から青瀬に至る区間の狭隘な道路状況と急な勾配を解消するため、手打バイパスが開通し、手打トンネル（延長1,370m）と青瀬トンネル（延長1,098m）が供用開始されました。

年表

1960年4月13日: 一般県道手打藺牟田港線として県道認定。
1969年: 下甑村大字青瀬から同村大字長浜までの区間が開通。
1972年: 下甑村大字手打から同村大字青瀬までの区間が開通。路線番号349号が付与。
1982年: 下甑村大字長浜から鹿島村大字藺牟田までの区間が開通。手打藺牟田港線が全線開通。
2010年3月26日: 手打バイパスが開通。

路線状況

道路施設

トンネル

手打トンネル: 延長1,370m（2010年3月26日開通）
青瀬トンネル: 延長1,098m（2010年3月26日開通）
芦浜トンネル

地理

通過する自治体

薩摩川内市

交差する道路

(詳細な交差する道路の情報は現状では不明です。)

沿線

手打港
薩摩川内市役所下甑支所
薩摩川内市立手打小学校
薩摩川内市立海陽中学校
薩摩川内市立海星中学校
薩摩川内市立長浜小学校
長浜港旅客待合所
薩摩川内市立鹿島小学校
薩摩川内市役所鹿島支所
鹿島港旅客待合所

ギャラリー

(画像データは提供されていません。)

参考文献

鹿島村郷土誌編集委員会『鹿島村郷土誌』鹿島村、1982年。
下甑村郷土誌編纂委員会『下甑村郷土誌』下甑村、2004年。
芳即正、五味克夫『日本歴史地名大系47巻 鹿児島県の地名』平凡社、1998年。ISBN 978-4582910544。
鹿児島県総務部参事室『鹿児島県市町村変遷史』鹿児島県、1967年。

関連項目

鹿児島県の県道一覧

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