黄檗駅 (JR西日本)

京都府宇治市五ケ庄新開に所在する、西日本旅客鉄道（JR西日本）奈良線の駅（駅番号：JR-D08）です。

歴史

当駅は1961年 4月21日、日本国有鉄道の奈良線に開業しました。これは地域の強い要望を受けて設置された請願駅であり、建設費用は全額地元が負担するという形で実現しました。1987年 4月1日には国鉄の分割民営化に伴い、JR西日本の駅となります。開業時は単式1面1線ホームでしたが、奈良線の輸送力強化のため、1991年 3月16日のダイヤ改正に合わせて交換設備が新設され、現在の相対式ホーム2面2線構造となりました。駅設備の近代化も進み、1998年 10月13日には自動改札機が、2003年 11月1日にはICカード乗車券「ICOCA」が導入されています。2018年 3月17日には駅ナンバリングが導入され、利用案内が向上しました。近年では、奈良線の混雑緩和を目指した複線化事業が進展し、2022年には5月22日に六地蔵駅方面との間、同年12月18日には宇治駅方面との間でそれぞれ複線での運用が開始されました。これにより、列車の運行効率が向上しています。なお、長年にわたり対面でのサービスを提供してきたみどりの窓口は、時代の変化に伴い2023年12月19日をもって営業を終了しました。

駅構造

地上駅である黄檗駅は、線路を挟んで向かい合う相対式ホームが2面、線路が2線配置されています。かつて単線区間だった頃は交換設備を備えていましたが、駅構内の線路配置が一線スルーに対応していなかったため、通過する快速列車などが速度を落とす必要がありました。開業当初は現在の2番のりばにあたる単式1面1線のみでしたが、1991年に増設されたホーム（現在の1番のりば）により現在の2面2線となりました。駅の運営管理は宇治駅が行っており、実際の駅業務はJR西日本交通サービスが受託する業務委託駅です。バリアフリー設備に関しては課題が残されており、宇治市内にあるJR駅の中では唯一エレベーターが設置されていません。このため、駅員が配置されていない時間帯に車椅子で1番のりば（京都方面）を利用することは困難であり、隣接する宇治駅を利用することが推奨されています。ICOCAをはじめとする主要なICカード乗車券は利用可能です。

利用状況

公開されている資料によると、2023年度の1日平均利用者数は7,190人です。京都府の統計書では、年ごとの1日平均乗車人員の推移が示されています。

駅周辺

黄檗駅周辺は、東側と西側で地形や環境が異なります。駅の東側には山が迫り、そこには黄檗宗の大本山である黄檗山萬福寺が静かに佇んでいます。この高台には、黄檗台団地をはじめとする閑静な住宅地が広がっています。一方、駅が位置する五ヶ庄地区を含む西側は低地であり、歴史的に度重なる水害に見舞われてきた地域です。過去には第2室戸台風による広範囲の浸水があり、近年でも浸水被害が繰り返し発生しています。2012年の集中豪雨では、駅近くを流れる弥陀次郎川の堤防が決壊し、住宅などに甚大な被害が出ました。治水対策は地域の重要な課題です。駅周辺には、JR駅のほかに京阪宇治線の黄檗駅があり、乗り換えが可能です。そのほか、京都大学宇治キャンパスや陸上自衛隊宇治駐屯地、関西補給処といった公共・教育関連施設、黄檗山萬福寺、許波多神社などの歴史的建造物、複数の学校（京都芸術高等学校、宇治市立東宇治中学校、黄檗中学校、南部小学校）、東宇治図書館、郵便局、金融機関、病院など、生活に必要な施設が点在しています。駅の東側には京都府道7号京都宇治線が並行して走っています。

バス路線

駅前には「JR黄檗駅」バス停留所が設けられており、京都京阪バスが運行する路線が利用できます。京阪宇治駅方面へ向かう系統、黄檗台団地内を循環する系統、そして近鉄大久保駅方面への路線が運行されています。

隣の駅

JR西日本奈良線の普通列車における黄檗駅の隣駅は、京都方面が木幡駅（駅番号JR-D07）、奈良方面が宇治駅（駅番号JR-D09）です。なお、奈良線を走行するみやこ路快速、快速、区間快速といった優等列車は、当駅には停車せず通過します。

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