黄金駅 (北海道)

黄金駅

北海道室蘭本線の無人駅

黄金駅（こがねえき）は、北海道伊達市南黄金町に位置する、北海道旅客鉄道（JR北海道）室蘭本線の駅です。駅番号は「H35」が付与され、電報略号は「コネ」とされています。事務管理コードは▲130309です。内浦湾の海岸線に寄り添うように位置しており、駅のホームからは美しい海の景色を眺めることができる無人駅です。かつては貨物・荷物取扱いや簡易委託による窓口業務も行われていました。

歴史

当駅は1925年（大正14年）8月20日、鉄道省の長輪東線（現在の室蘭本線の一部）が開業した際に、「黄金蘂駅（おこんしべえき）」として開設されました。当初は一般駅として旅客と貨物の両方を取り扱っていました。路線の改称や室蘭本線への編入を経て、開業から27年後の1952年（昭和27年）11月15日に現在の駅名である「黄金駅」に改称されます。この改称については、従前の「黄金蘂」という漢字の表記が難しかったことが理由の一つとされています。

昭和期に入ると駅の機能が変化し、1960年（昭和35年）10月15日には貨物取扱いが廃止されました。1980年（昭和55年）5月15日には、室蘭本線のCTC化に伴い無人駅となり、荷物取扱いも終了しました。この無人化は当初簡易委託駅としてスタートしましたが、後に完全に無人化されています。1987年（昭和62年）4月1日、国鉄の分割民営化によりJR北海道の駅となりました。1988年（昭和63年）には駅舎が改築されています。

駅名の由来

駅名である「黄金」は、その所在地名に由来しています。この地を流れる現在の気仙川は、アイヌ語で「オコㇺプシュペ（o-kompu-us-pe）」、すなわち「川尻にコンブが群生する場所」という意味を持つ言葉でした。開業時の駅名「黄金蘂（おこんしべ）」は、このアイヌ語の音に漢字を当てて名付けられたものです。長い時を経て、「黄金蘂」の表記が短縮され、読みも変化して現在の「黄金」となりました。駅名改称の理由には、漢字表記の難しさがあったと伝えられています。

駅構造

黄金駅は、単式ホーム1面と島式ホーム1面（片側のみ使用）を組み合わせた、合計2面2線の地上駅です。駅舎は線路の東側（岩見沢方面に向かって左手）にあり、単式ホーム（1番線）に直接接しています。

かつては2面3線の構造でしたが、現在使用されているのは2線のみです。過去に存在した島式ホームの駅舎側の中線や、1番線側の側線などは撤去され、シンプルな線路配置となりました。

ホーム間の移動は、駅舎側の単式ホームと島式ホームを結ぶ形で設けられた構内踏切を利用します。駅舎は1988年に改築されたもので、古い木造駅舎の雰囲気を引き継ぐ下見板張りの外観が特徴です。駅舎内にはトイレ設備も完備されています。かつては駅舎内に売店や簡易委託による窓口業務がありましたが、現在は行われていません。駅の隣にある駐輪場の一部には、鉄道で使用されていた枕木が再利用されています。

利用状況

黄金駅の利用状況については、乗車人員や乗降人員のデータが記録されており、その推移や現状を把握することができます。

駅周辺

黄金駅は、内浦湾に面した場所に位置しており、ホームから雄大な海の景色を眺めることができるのが大きな特徴です。

駅周辺には、幹線道路である国道37号線が通っています。地域には、伊達警察署黄金駐在所、黄金郵便局、伊達市消防署黄金支署などの公共施設があります。また、近くには千舞鼈川が流れ、自然豊かな環境です。この地域は縄文時代の遺跡が多く、史跡北黄金貝塚公園や北黄金貝塚などがあり、歴史的な関心も引く場所です。駅近くには、道南バスの「黄金」停留所が設けられています。かつて駅周辺には伊達市立黄金小学校がありましたが、2020年3月に閉校しています。

隣の駅

北海道旅客鉄道（JR北海道）室蘭本線における黄金駅の隣の駅は以下の通りです。

稀府駅 (H36) - 黄金駅 (H35) - 崎守駅 (H34)

関連項目

黄金駅に関連する項目としては、愛知県名古屋市にある近鉄名古屋線の同名駅や、神奈川県横浜市にある京急本線の黄金町駅などが挙げられます。これらは名称が類似している駅です。日本の鉄道駅一覧も関連項目として参照できます。

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