黄5号

黄5号（き5ごう）について

黄5号は、日本国有鉄道（国鉄）によって設定された色の一つであり、主に電車の外部色として用いられてきました。この色の慣用名称は「マリーゴールドイエロー」で、マンセル値は「2.5Y 7.5/8.8」とされています。また、カナリアイエローと呼ばれることもあります。

歴史的背景

この色が初めて採用されたのは1960年で、山手線に導入された101系電車がその例です。この時、技術者の島秀雄氏は、中央線で使用されている朱色1号とは異なる色合いを求め、視認性と快適性を備えた色として黄5号の採用を決定しました。以前から存在していた銀座線の黄色よりも明るいトーンで、地上走行の電車に相応しい色として選ばれました。

色の使用と変遷

1963年には、山手線から転用された101系の塗色もそのまま中央・総武緩行線に引き継がれました。その後、赤羽線や南武線のラインカラーとしても使用されましたが、赤羽線は埼京線の開通とともに消滅しました。国鉄の通勤路線においては、101系が特例として投入され、基本的に新車の優先順位が低い状況の中で、この車両は例外的に新たに導入されました。

その後も、1981年には福知山線のラインカラーとして103系電車に採用され、1986年の全線電化当初には113系もこの色を取り入れましたが、こちらは短期間で使用が終わってしまいました。また、1997年には103系電車が青22号への塗り替えが始まり、2001年には消滅となりました。

その他の利用

黄5号は試験車両の地色や帯色、警戒色としても使用されています。また、1962年からは修学旅行用車両の色としても利用され、新潟鉄道管理局では視認性を考慮して旧形国電に「新潟色」として本色と赤2号を組み合わせて採用していました。加えて、福塩線に投入された105系にも本色が使用され、こちらは青20号とのコンビネーションが特徴です。

さらに、国鉄の101系が主力車両として運用されていた関西本線では、正面の警戒色として黄5号の帯が付けられ、103系に置き換えられてからも1990年までそのデザインが続けられました。

最近では、2010年以降にJR西日本山陽地区で見られる新塗装において、この色がやや濃く調整された形で用いられています。この新しい塗装は単色塗装で、国鉄末期を彷彿とさせるため「末期色」と呼ばれることがあります。

使用された車両

黄5号は多くの車両で使用され、以下のような例があります：

• - 国鉄70系電車（新潟地区）
• - 国鉄101系電車（山手線、中央・総武緩行線など）
• - 国鉄103系電車（中央・総武緩行線など）
• - 国鉄105系電車（福塩線）
• - 国鉄113系電車（福知山線）
• - 国鉄117系電車（山陽本線）など

近似色

黄5号は、色相の観点から黄1号や金色に類似したトーンを持つとされ、東京メトロ有楽町線のラインカラー（ゴールド）にもその影響が見られます。

結論

黄5号は、国鉄において重要な役割を果たしてきた色であり、多くの電車に採用されたことから、日本の鉄道の歴史にも大きな足跡を残しています。

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