黒岳 (大分県)

黒岳（くろだけ）

黒岳は、大分県由布市庄内町と竹田市久住町にまたがる、九重連山に属する標高1,587mの山です。阿蘇くじゅう国立公園の指定区域内に位置し、その豊かな自然環境が特徴です。

概要

九重[[山]]系の北東部に位置し、大船山の北東に連なっています。前岳、天狗岩、高塚山などの峰々からなる鐘状の火山であり、最高点は高塚山にあります。南側の竹田市方面から見ると、その山容が仰向けになったおたふくの面のように見えることから、「おたふく山」とも呼ばれています。

九重連山の他の山々が草原に覆われているのに対し、黒岳は広葉樹の原生林が広がっているのが特徴です。樹木が鬱蒼と茂る様子が黒く見えることから、その名が付けられました。また、遠くから見ると、広葉樹林が四季折々に黒色や紫色に見えることから、「黒山」という別名でも親しまれています。

黒岳は、ミヤマキリシマをはじめとする高山植物の宝庫であり、国の天然記念物であるイヌワシの生息地の南限としても知られています。山麓には、名水百選にも選ばれた男池湧水群があり、その周辺にはヒメボタルやミスジチョウなどの希少な昆虫が生息しています。さらに、国内でも数少ない純粋な天然炭酸泉である白水鉱泉が湧き出ているのも特徴です。

これらの自然環境の豊かさから、黒岳は「21世紀に残したい日本の自然100選」や大分百景、大分百[[山]]にも選定されています。

黒岳水源の森

黒岳の山域に広がる森林は、「黒岳水源の森」として水源の森百選に選ばれています。この森林は、すべて広葉樹からなる自然林で、大分川の源流の一つとなっています。水源林に降り注いだ雨水は、地下水となり、下流域の水道水や灌漑用水として利用されています。

古来より人の手がほとんど入らなかったこの山は、九州随一の原生林として保全されており、貴重な自然環境を今に伝えています。

所在地

大分県由布市大字阿蘇野字黒岳（1995年7月時点の情報）

脚注

大分県自然ガイドブック-くじゅう黒岳地域の自然 - 大分県
由布市観光情報 - 由布市
* 地図閲覧サービス（試験公開) 493151 2万5千分1地形図名：大船山 (南西)

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