14号族

サラブレッドの血統を語る上で欠かせないのが、母系の系譜を辿る牝系です。その中でも、14号族は、輝かしい歴史と、現代競馬においても重要な役割を担う、名門中の名門として知られています。

その起源は、18世紀初頭、オールドフィールド・メアという牝馬に遡ります。1700年頃を活躍期としたと推測されるこの牝馬を祖とする14号族は、ファミリーナンバーでは2桁と比較的若い番号ながら、その勢力は非常に大きく、多くの名馬を輩出してきたことで知られています。

20世紀に入ると、14号族はプリティーポリーという偉大な牝馬によって、その名を世界に轟かせることになります。プリティーポリーは、類まれな競走能力と繁殖能力を兼ね備えており、その子孫は数多くの活躍馬を生み出しました。その中でも特に有名なのが、ブリガディアジェラードです。プリティーポリーの子孫であるブリガディアジェラードもまた、優れた競走能力で知られ、14号族の代表的名馬として、その名を残しています。

14号族は、プリティーポリーとブリガディアジェラード以外にも、数多くの名馬を輩出しています。その中には、タッチストン、マカロニ、セントパディー、テトラテマ、コロナティオン、コマンダーインチーフ、インヴァソール、カツラギエース、アドマイヤコジーン、マヤノトップガン、サクラローレル、タイムパラドックス、タイランツクヰーンといった、競馬ファンには馴染み深い名前が多数含まれています。これらの馬たちは、それぞれ異なる時代に活躍しながらも、14号族という共通の母系を持ち、その血統の優位性を証明しています。

さらに、グリーングラス、トキノミノル、マックスビューティといった名馬も、14号族の血を引いています。これらの馬たちは、それぞれの個性と能力で競馬界に貢献し、14号族の伝統を現代に繋いでいます。

興味深いことに、14号族のミトコンドリアDNAは、他の主要な牝系とは異なるハプロタイプに属しています。これは、14号族の母系が、他の系統とは異なる独自の進化の道を歩んできたことを示唆しています。特に3号族との近縁性が指摘されており、両系統は同じD2系統に属すると考えられています。この遺伝的な独自性は、14号族の血統が持つ特性や、その競走能力に影響を与えている可能性も示唆しています。

このように、14号族は、その長い歴史の中で、数々の名馬を輩出し、競馬界に多大な貢献を果たしてきました。その血統は、現代においてもなお、多くの競走馬に受け継がれており、今後の競馬界においても、重要な役割を担っていくことは間違いありません。14号族の系譜は、競馬史における一つの重要な柱であり、その歴史と伝統は、これからも多くの人々を魅了し続けるでしょう。

もう一度検索