1902年の相撲

1902年の相撲界の動向

1902年（明治35年）は、日本の相撲界において様々な出来事があった年です。特に、皇族が相撲を観覧する「台覧相撲」が複数回開催されたことが特筆されます。

台覧相撲

7月4日には、芝離宮においてロシア大公が相撲を観覧しました。また、12月21日には、同じく芝離宮でシャム国（現在のタイ）の皇太子（後のラーマ6世）に台覧相撲が披露されました。これらの台覧相撲は、相撲が国際的な関心を集めるきっかけとなり、その格式を高める上で重要な役割を果たしました。

本場所

1902年には、東京、京都、大阪でそれぞれ本場所が開催されました。

1月場所（東京相撲）
場所：本所回向院
日程：1月10日より晴天10日間
3月場所（京都相撲）
場所：花見小路祇園館跡空地
日程：3月1日より開催
5月場所（東京相撲）
場所：本所回向院
日程：5月21日より晴天10日間
6月場所（大阪相撲）
場所：南地五階南手空地
日程：晴天10日間

これらの本場所では、多くの力士たちが熱戦を繰り広げ、相撲ファンを魅了しました。

誕生した力士

1902年には、後に相撲界で活躍する多くの力士が誕生しました。以下に主な力士を列挙します。

1月26日 - 伊勢ノ濱寅之助（最高位：前頭6枚目）
2月13日 - 荒山宇三郎（最高位：十両6枚目）
2月23日 - 伊勢錦清（最高位：十両9枚目）
3月12日 - 銚子灘傳右エ門（最高位：前頭14枚目）
3月30日 - 真鶴秀五郎（最高位：小結）
4月23日 - 霞ヶ浦忠男（最高位：十両5枚目）
5月4日 - 鏡岩善四郎（最高位：大関）
5月4日 - 栃ノ花善治郎（最高位：十両2枚目）
6月6日 - 信夫山秀之助（最高位：前頭2枚目）
7月21日 - 星甲實義（最高位：前頭2枚目）
11月18日 - 錦城山勇吉（最高位：前頭2枚目（大阪大関））
12月7日 - 高ノ花武也（最高位：前頭8枚目）
12月20日 - 出羽ヶ嶽文治郎（最高位：関脇）

これらの力士たちは、それぞれの時代で相撲界を盛り上げ、後世にその名を残しました。

物故した力士

1902年には、以下の力士が亡くなりました。

1月9日 - 八陣信蔵（最高位：横綱（五条家免許、大坂相撲））
5月28日 - 若島幸右エ門（最高位：前頭7枚目（大阪大関））

彼らの死は、相撲界にとって大きな損失であり、多くのファンに惜しまれました。

まとめ

1902年は、台覧相撲の開催や多くの力士の誕生など、相撲界にとって重要な出来事が数多くあった年です。この年の出来事は、後の相撲界に大きな影響を与え、相撲の歴史において重要な転換期であったと言えるでしょう。

参考資料

『日本相撲史：中巻』酒井忠正著、ベースボール・マガジン社、1964年6月1日。
* 『大相撲力士名鑑令和三年版：明治から令和までの歴代幕内全力士収録』京須利敏・水野尚文編著、共同通信社、2020年。ISBN 978-4-7641-0723-6。

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