1907年のメジャーリーグベースボール

1907年 メジャーリーグベースボールのハイライト

1907年のメジャーリーグベースボール（MLB）は、数々の注目すべき出来事が生まれたシーズンでした。この年、シカゴ・カブスがナショナルリーグで2年連続8回目のリーグ優勝を果たし、アメリカンリーグではデトロイト・タイガースが初めてのリーグタイトルを獲得しました。シーズンは1907年4月11日に始まり、10月12日まで続きました。

シカゴ・カブスの卓越した内野陣

シカゴ・カブスは、監督兼一塁手のフランク・チャンスや、二塁手のジョニー・エバース、遊撃手のジョー・ティンカーによって形成された併殺トリオが注目を浴びました。この内野陣は多くの併殺プレーを演出し、「黄金の内野陣」と呼ばれるまでに評価されました。特に、忘れ去られた三塁手ステンフェルトも攻守にわたり存在感を示しました。投手陣は「スリーフィンガー」の愛称で知られるモーデカイ・ブラウンを中心に、エド・ロイルバック、ジャック・フィースター、カール・ラングレン、オービィ・オーバーオールといった実力派が揃い、シーズン防御率1点台という驚異的な成績を残しました。

デトロイト・タイガースの躍進

デトロイト・タイガースは、ヒューイー・ジェニングス監督のもと、タイ・カッブを主力とした攻撃力を発揮しました。カッブはメジャーリーグ3年目にしてその名を広め、サム・クロフォードとともにチームを牽引しました。投手陣ではドノバンとキリアンが共に25勝を挙げ、タイガースの初優勝に大きく貢献しました。また、タイガースはこの年からリーグ3連覇を達成しました。

ワールドシリーズの激闘

ワールドシリーズでは、前年に敗北を喫したシカゴ・カブスが再び舞台に立ち、デトロイト・タイガースとの対戦が実現しました。第1戦は引き分けに終わったものの、その後カブスは4連勝を飾り、シリーズを制しました。各試合で先発した投手が活躍し、タイガースは打線が沈黙し、チーム打率はわずか.209にとどまりました。

打点、タイトル、公表の始まり

この年から打点が公式に公表されるようになり、その後の記録調査によって1876年からの最多打点者が明らかになっています。タイ・カッブは打率.350で首位打者に輝き、さらに打点119と安打数212もリーグ最多を記録。彼は以後9年連続で首位打者となり、通算12回その栄冠を手にします。サム・クロフォードも打率.323で注目され、最多得点を獲得しました。

器具の革新

ニューヨーク・ジャイアンツの捕手ロジャー・ブレスナハンが、この年メジャーリーグで初めてレガースを着用しました。それまで守備具が進化していましたが、脛を守るための器具の採用は新たなスタンダードとなりました。

新たな才能の発見

ワシントン・セネタースの監督ジョー・カンティロンはスカウトにクリフ・ブランケンシップを起用し、アイダホで優秀な若手投手を見出します。その投手は後のレジェンド、ウォルター・ジョンソンでした。彼は独特の投球スタイルで瞬く間に評判を集め、結果的にMLB歴代2位の通算416勝を挙げることになります。

ハイランダースの記録

経験の浅いハイランダースの捕手ブランチ・リッキーは、対ワシントン・セネタース戦で13盗塁を許すという不名誉な記録を残しました。しかし、その後彼は指導者としての道を歩み、メジャーリーグの運営にも大きく貢献しました。

最終成績

シーズン終了時、レギュラーシーズンとワールドシリーズでの成績は以下の通りです：

• - レギュラーシーズン: カブス ✓ - タイガース
• - ワールドシリーズ: タイガース 0 - 1 - 4 カブス

この1907年は、エポックメイキングな出来事が起きたシーズンとして、MLBの歴史に刻まれています。

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