1912年の相撲

1912年の相撲界の動向

1912年は、相撲界にとって様々な出来事があった年です。特に、大木戸森右エ門の横綱免許を巡る問題は、長らく相撲界を二分していた大阪相撲協会と東京相撲協会との間の確執を象徴するものでした。この問題は、11月13日に東京方の仲介によって大阪方が謝罪することで和解が成立し、12月25日には大木戸に正式に横綱免許が下りるという形で決着しました。

また、この年には、後の昭和天皇となる迪宮裕仁親王が、淳宮雍仁親王、光宮宣仁親王と共に5月場所を台覧されました。これは、相撲が皇室にも関心の高い伝統文化であることを示す出来事でした。

本場所の記録

1912年の本場所は、東京相撲では1月場所と5月場所が両国国技館で開催されました。1月場所は西方が勝利し、旗手は近江富士初次郎、個人優勝は太刀山峰右エ門でした。5月場所は東方が勝利し、旗手は千年川亀之助、個人優勝は太刀山峰右エ門でした。大阪相撲では、5月場所に難波新川土橋西詰で興行が行われました。

誕生と死去

1912年は、後の相撲界を担うことになる力士たちが誕生した年でもあります。

1月2日 - 26代木村庄之助（元・立行司）
1月17日 - 鶴ヶ嶺道芳（最高位：前頭2枚目）
2月9日 - 双葉山定次（第35代横綱、第3代日本相撲協会理事長）
3月25日 - 磐城徳枩（最高位：十両2枚目）
3月28日 - 一ノ濱枩雄（最高位：十両8枚目）
9月1日 - 有明五郎（最高位：前頭11枚目）
10月4日 - 豊錦規矩雄（最高位：十両8枚目）
11月30日 - 玉ノ海梅吉（最高位：関脇）
12月22日 - 五ツ嶋奈良男（最高位：大関）


一方で、この年には相撲界の功労者たちが鬼籍に入りました。

1月6日 - 16代木村庄之助（立行司、現役没）
* 7月4日 - 千年川政吉（最高位：小結、年寄：立田山）

まとめ

1912年は、相撲界にとって多くの転換期となった年です。東西の和解、皇室の関心、そして未来のスターたちの誕生と、その後の相撲史を語る上で欠かせない出来事が数多くありました。

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