1969-1970シーズンのNBA

1969-1970シーズン NBA

1969-1970シーズンは、NBAにとって24回目のシーズンであり、数々のドラマと新たなスターの誕生が織りなす、記憶に残るシーズンとなりました。

カリーム・アブドゥル＝ジャバーの登場

後のNBAを代表するスーパースター、ルー・アルシンダー（後のカリーム・アブドゥル＝ジャバー）がドラフトにエントリー。カレッジ時代から圧倒的な実績を誇り、その将来を嘱望されたアルシンダーの獲得には、ABA（アメリカン・バスケットボール・アソシエーション）も巻き込んだ激しい争奪戦が繰り広げられました。ABAがリーグ全体で獲得資金を集め、アルシンダーにチーム選択権と白紙の小切手を用意するほどの破格の待遇を提示するも、アルシンダーが選んだのはNBAのミルウォーキー・バックスでした。前シーズンにイースタン・デビジョン最下位となり、ウェスタン・デビジョン最下位のフェニックス・サンズとのコインフリップの末にドラフト1位指名権を獲得したバックスは、アルシンダー獲得のために意図的に負けを重ねたとも言われています。この年のドラフトでは他にも、ジョ・ジョ・ホワイト、ハーム・ギリアムらが指名を受けています。

シーズン概要

オールスターゲーム

開催日: 2月20日
開催地: フィラデルフィア
結果: イースト 142 - 135 ウエスト
MVP: ウィリス・リード（ニューヨーク・ニックス）

スタッツリーダー

このシーズンから、スタッツリーダーの選出方法が通算記録から平均記録に変更されました。

各賞

最優秀選手: ウィリス・リード（ニューヨーク・ニックス）
ルーキー・オブ・ザ・イヤー: ルー・アルシンダー（ミルウォーキー・バックス）
最優秀コーチ賞: レッド・ホルツマン（ニューヨーク・ニックス）

All-NBA First Team:

コニー・ホーキンズ, フェニックス・サンズ
ビリー・カニンガム, フィラデルフィア・76ers
ウォルト・フレイジャー, ニューヨーク・ニックス
ウィリス・リード, ニューヨーク・ニックス
ジェリー・ウェスト, ロサンゼルス・レイカーズ

All-NBA Rookie Team:

ディック・ガーネット, ロサンゼルス・レイカーズ
マイク・デイビス, ボルチモア・ブレッツ
ジョ・ジョ・ホワイト, ボストン・セルティックス
ルー・アルシンダー, ミルウォーキー・バックス
ボブ・ダンドリッジ, ミルウォーキー・バックス

NBA All-Defensive First Team:

デイブ・ディバッシャー, ニューヨーク・ニックス
ガス・ジョンソン, ボルチモア・ブレッツ
ウィリス・リード, ニューヨーク・ニックス
ウォルト・フレイジャー, ニューヨーク・ニックス
ジェリー・ウェスト, ロサンゼルス・レイカーズ

新たな時代へ

ビル・ラッセルの引退は、長きに渡りリーグを支配したボストン・セルティックスの終焉と、新たな時代の到来を告げました。セルティックスは19年ぶりにプレーオフ出場を逃し、群雄割拠の時代へと突入します。不遇の時代を過ごしたニューヨーク・ニックスは、着実に戦力を整え、1954年以来のデビジョン優勝を果たしました。また、ルー・アルシンダー加入によりミルウォーキー・バックスは、前シーズンの27勝から56勝へと大きく躍進。アルシンダーは28.8得点（リーグ2位）、14.5リバウンド（リーグ3位）の好成績で新人王に輝き、MVP投票でも3位に入りました。

プレーオフとファイナル

ニューヨーク・ニックスは、ファイナルでロサンゼルス・レイカーズを破り、球団史上初の優勝を飾りました。特に、ウィリス・リードが怪我をおして出場した第7戦は、伝説として語り継がれています。リードは試合開始直後に2本のシュートを決め、チームを鼓舞。ウォルト・フレイジャーも36得点19アシストという素晴らしい活躍を見せ、ニックスを勝利に導きました。

ファイナルMVP

ウィリス・リード

ラストシーズン

ボブ・クージー（6年のブランクを経てロイヤルズで短期間プレー）, リッチー・ゲーリン, ガイ・ロジャーズ, ドン・オール, ジョー・コールドウェルらがこのシーズンを最後にNBAから去りました。

1969-1970シーズンは、カリーム・アブドゥル＝ジャバーの登場、ニックスの躍進、レイカーズの苦悩など、様々な要素が絡み合い、NBAの歴史に深く刻まれるシーズンとなりました。

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