1974年の相撲

1974年の大相撲は、相撲界にとって大きな変革の年となりました。この年、数々の出来事が相撲界を揺るがし、歴史的な転換期を迎えることになります。

主要な出来事

政治・国際関係

11月20日、来日中のアメリカ合衆国大統領ジェラルド・R・フォードが日本武道館で歓迎武道演武会を観覧しました。

大相撲の動向

1月場所: 大関清國勝雄が初日から休場し、そのまま引退。年寄・楯山を襲名しました。また、昭和天皇、皇后が1月場所8日目を観戦されました。1月場所で初優勝を果たした北の湖敏満の大関昇進が決定しました。協会役員改選では、春日野（元横綱栃錦）が新理事長に選出されました。

3月場所: 学生相撲出身の野村と舛田山が幕下付出としてデビューしました。武蔵川前理事長に功労金が贈呈され、元大関前の山太郎が引退し、年寄・高田川を襲名しました。

5月場所: 北の湖が2度目の優勝を果たしましたが、大関大受が負け越し、大関から陥落しました。ハワイ巡業も行われました。

7月場所: 新十両として、清ノ華、大登、播竜山、輝山が昇進しました。清ノ華は初の中国出身力士、輝山は初土俵から79場所目という遅咲きの関取となりました。横綱琴櫻傑將と北の富士勝昭が相次いで引退しました。佐渡ヶ嶽親方（元小結・琴錦）が死去し、元横綱・琴櫻が佐渡ヶ嶽を継承しました。7月場所後、北の湖の横綱昇進が決定し、21歳2ヶ月という史上最年少記録を樹立しました。

9月場所: 二子岳と三重ノ海の取り組みが11年ぶりの引き分けとなりました。トンガ王国からの招きで、朝日山親方らがトンガへ相撲指導に赴きました。トンガ人力士4人が新弟子検査に合格し、朝日山部屋に入門しました。

11月場所: 新十両として、千代の富士、若龍児、隆ノ里が昇進しました。千代の富士は昭和30年代生まれ初の関取となりました。大関大麒麟將能が引退し、年寄・押尾川を襲名しました。11月場所から会場が九電記念体育館に変更されました。

各場所の優勝力士

一月場所: 北の湖敏満（14勝1敗）
三月場所: 輪島大士（12勝3敗）
五月場所: 北の湖敏満（13勝2敗）
七月場所: 輪島大士（14勝1敗）
九月場所: 輪島大士（14勝1敗）
* 十一月場所: 魁傑將晃（12勝3敗）

年間最多勝は北の湖敏満で73勝17敗でした。

新たな力士の誕生

この年、多くの力士が誕生しました。その中には、後に大関となる出島武春や関脇となる旭天鵬勝などがいます。また、後の横綱である千代の富士もこの年に十両に昇進しています。

物故者

この年、多くの相撲関係者が亡くなりました。若太刀芳之助、陸奥錦秀二郎、神威山力雄、双見山又五郎、幡瀬川邦七郎、琴錦登、朝日嶽留藏、一渡明、常盤野藤兵衛といった多くの相撲界の功労者がこの世を去りました。

その他の出来事

増位山太志郎のシングル「そんな夕子にほれました」が120万枚を超える大ヒットを記録しました。

1974年は、大相撲の歴史において重要な転換期となりました。北の湖の最年少横綱昇進、横綱・琴櫻、北の富士の引退など、世代交代が進むとともに、新弟子や海外巡業など新たな動きも見られました。この年の出来事は、その後の大相撲の発展に大きな影響を与えたと言えるでしょう。

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