1978年の日本公開映画

1978年 日本公開映画

1978年（昭和53年）は、国内外の多様な映画作品が日本国内で商業公開された賑やかな一年でした。本項では、この年に公開された主な作品群を紹介します。

年明けの1月には、イギリス製作のコメディ『ローヤル・フラッシュ』や、アカデミー賞主要部門を受賞したアメリカ映画『アニー・ホール』が登場しました。邦画では、時代劇の大作『柳生一族の陰謀』や『世界の最終兵器 スーパー・ウェポン』などが公開され、新春の映画館を彩りました。

2月に入ると、スティーヴン・スピルバーグ監督によるSF映画の金字塔『未知との遭遇』（アメリカ合衆国）が公開され、日本でも大きな話題となりました。邦画では、横溝正史原作の推理劇『女王蜂』や、文学的な趣のある『峠』などが公開されました。

春休みシーズンを迎える3月には、子供向けの映画が多数登場しました。「東映まんがまつり」では『一休さんとやんちゃ姫』『キャンディ・キャンディ 春の呼び声』『ジャッカー電撃隊VSゴレンジャー』『世界名作童話 おやゆび姫』『惑星ロボ ダンガードA 宇宙大海戦』など、人気アニメや特撮の劇場版が一挙に公開されました。一方、「東宝チャンピオンまつり」でも『家なき子』『キングコングの逆襲』『新・巨人の星』『地球防衛軍』『まんが日本昔ばなし かぐや姫』といったバラエティ豊かな作品が上映されました。一般作としては、アメリカ映画『ミスター・グッドバーを探して』や、国際色豊かな『北京原人の逆襲』（イギリス領香港）などが公開されています。

4月には、ブルース・リー主演のアクション映画『死亡遊戯』（アメリカ合衆国 / イギリス領香港）が注目を集めました。邦画では、アクションやサスペンス、文芸作品など多様なジャンルの作品が公開されています。月末のゴールデンウィークにかけては、『愛と喝采の日々』『バレンチノ』（アメリカ合衆国）、邦画では『宇宙からのメッセージ』『オレンジロード急行』『残照』などが公開され、連休を楽しむ観客を集めました。

5月、6月も国内外の作品が続々と公開される中で、特に社会現象となるほどの大ヒットを記録したのが、6月30日に公開されたアメリカ映画『スター・ウォーズ』です。この作品は日本の映画界に大きな影響を与えました。その他、6月には『オー!ゴッド』（アメリカ合衆国）や、邦画の人間ドラマ『事件』などが公開されています。

夏の興行の中心となる7月、8月は、話題作が多く公開されました。7月には、ディスコブームを巻き起こした『サタデー・ナイト・フィーバー』（アメリカ合衆国）や、人気アニメの劇場版『科学忍者隊ガッチャマン』、ドキュメンタリー『キタキツネ物語』などが公開されました。8月のお盆シーズンには、山田洋次監督の人気シリーズ最新作『男はつらいよ 寅次郎わが道をゆく』や、アニメーション大作『さらば宇宙戦艦ヤマト 愛の戦士たち』が公開され、多くの観客が劇場に詰めかけました。洋画では、オールスターキャストの戦争アクション『ワイルド・ギース』（イギリス）などが公開されています。

秋にかけても、様々なジャンルの作品が公開されました。9月には、帰還兵を描いたアメリカ映画『帰郷』や、イタリアのミステリーホラー『サスペリアPART2』などが公開。邦画では『日本の首領 完結篇』などが公開されました。10月には、松本清張原作の重厚な邦画『鬼畜』や、証明なきサスペンス『野性の証明』、海外からは『プリティ・ベビー』『ミッドナイト・エクスプレス』（アメリカ合衆国）といった話題作が登場しました。

11月、12月は年末年始興行に向けて大作が揃いました。12月には、人気シリーズの続編『ジョーズ2』（アメリカ合衆国）や、アガサ・クリスティ原作の豪華ミステリー『ナイル殺人事件』（アメリカ合衆国 / イギリス）が公開されました。邦画でも、国民的アニメの劇場版『ルパン三世（ルパンVS複製人間）』、人気シリーズ『男はつらいよ 噂の寅次郎』、そして『トラック野郎・一番星北へ帰る』などが公開され、年末の映画館は賑わいを見せました。

1978年に日本で公開された作品を一覧すると、アメリカ映画の割合が非常に高く、日本映画がそれに続いていることが分かります。その他、イギリス、フランス、イタリアといったヨーロッパ各国の映画に加え、インド、イラン、ソビエト連邦、カナダなど、多様な製作国の作品が日本に紹介されました。アクション、サスペンス、ドラマ、コメディ、SF、アニメーションなど、幅広いジャンルの作品が公開され、映画ファンにとって見どころの多い一年であったと言えるでしょう。

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