1984年の相撲

1984年の相撲界

1984年は、相撲界にとって大きな変化の年でした。アマチュア相撲界では、新たなスターが登場し、大相撲の世界では、数々の出来事がありました。また、長年親しまれてきた蔵前国技館が閉館し、新しい国技館が建設されるなど、歴史の転換期でもありました。

アマチュア相撲

全日本相撲選手権大会では、日大1年の久嶋啓太が連覇を達成しました。これは史上初の大学1年生によるアマチュア横綱誕生という快挙でした。久嶋の活躍は、アマチュア相撲界に新たな風を吹き込みました。

大相撲

できごと

1月：初場所14日目には、当時の皇太子一家が観戦に訪れました。また、協会役員改選では、春日野理事長が6選を果たしました。新監事には中立が選出され、事業企画部が設置され、部長には二子山が就任しました。
2月：間垣部屋が墨田区亀沢に新築落成しました。
3月：24代式守伊之助が停年退職し、式守錦太夫が25代伊之助を襲名しました。また、公傷力士の張出が廃止されました。元小結玉輝山、元前頭筆頭琴ヶ嶽がそれぞれ引退し、年寄北陣、年寄白玉を襲名しました。26代木村庄之助が72歳で亡くなりました。
4月：幕内格行司の木村筆之助が60歳で亡くなりました。新国技館の上棟式が行われました。
5月：夏場所8日目には、昭和天皇が観戦に訪れました。元関脇高見山、元小結黒瀬川がそれぞれ引退し、年寄東関、年寄千賀ノ浦を襲名しました。
6月：ハワイ巡業が行われました。元関脇羽黒花が48歳で亡くなりました。武蔵川、藤島両親方が日中青年友好交流訪中団の一員として中国を訪問しました。
8月：力士会による「立合い研修会」が開催され、両手をつくルールが守られない場合は負けとなることが明確化されました。
9月：秋場所8日目には、昭和天皇が観戦に訪れました。秋場所千秋楽表彰式終了後、蔵前国技館のお別れセレモニーが開催されました。
10月：新国技館の定礎式が行われました。蔵前国技館で閉館式が開催されました。
11月：三保ヶ関（元大関増位山）が停年を迎え、長男の小野川（元大関増位山）が継承しました。元小結播竜山が引退し、年寄小野川を襲名しました。新国技館の引き渡し式が行われました。

本場所

一月場所（蔵前国技館）：隆の里俊英が13勝2敗で4回目の幕内最高優勝を果たしました。殊勲賞には大ノ国、敢闘賞には保志、技能賞には出羽の花が選ばれました。十両優勝は大錦一徹でした。
三月場所（大阪府立体育館）：若嶋津六夫が14勝1敗で初の幕内最高優勝を果たしました。殊勲賞、敢闘賞には大ノ国、技能賞には逆鉾が選ばれました。十両優勝は小錦八十吉でした。
五月場所（蔵前国技館）：北の湖敏満が15戦全勝で24回目の幕内最高優勝を果たしました。殊勲賞には逆鉾、敢闘賞には栃司が選ばれました。十両優勝は小錦八十吉でした。
七月場所（愛知県体育館）：若嶋津六夫が15戦全勝で2回目の幕内最高優勝を果たしました。殊勲賞には大乃国、敢闘賞には霧島、技能賞には逆鉾が選ばれました。十両優勝は北尾光司でした。
九月場所（蔵前国技館）：多賀竜昇司が13勝2敗で初の幕内最高優勝を果たしました。殊勲賞、敢闘賞には小錦と多賀竜、技能賞には多賀竜が選ばれました。十両優勝は栃赤城敬典でした。
十一月場所（福岡国際センター）：千代の富士貢が14勝1敗で10回目の幕内最高優勝を果たしました。殊勲賞には北尾、敢闘賞には旭富士、技能賞には保志が選ばれました。十両優勝は琴千歳幸征でした。

年間最優秀力士賞は、若嶋津六夫が71勝19敗で獲得しました。

誕生

1984年には、後に大相撲界で活躍する多くの力士が誕生しました。主な力士として、蒼国来栄吉、琴奨菊和弘、阿覧欧虎、松鳳山裕也、日馬富士公平、把瑠都凱斗、豊響隆太、玉鷲一朗などが挙げられます。

死去

1984年には、多くの相撲関係者が亡くなりました。主な人物として、松前山熊義、若乃洲敏弥、26代木村庄之助、木村筆之助、羽黒花統司などが挙げられます。

作品

1984年には、相撲を題材としたアーケードゲームが複数登場しました。主な作品として、『出世大相撲』（テクノスジャパン）と『大相撲』（データイースト）が挙げられます。

まとめ

1984年の相撲界は、アマチュア相撲での新星誕生、大相撲での数々の出来事、そして新国技館の建設など、激動の一年でした。この年は、相撲界の歴史における重要な転換期として記憶されるでしょう。

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