1987年のテレビ (日本)
1987年（昭和62年）の日本におけるテレビジョン放送は、多くの話題と変革に満ちた一年でした。
主な出来事
年の始まり、1月1日にはNHK恒例の「ウィーンフィル・ニューイヤーコンサート」が、従来の教育テレビに加え、衛星第2テレビやFMでもPCMデジタル音声によるステレオ生放送を開始。クラシック界の巨匠ヘルベルト・フォン・カラヤンが初めて指揮を務めたことも注目されました。
正月スポーツイベントとして定着している箱根駅伝のテレビ中継は、第63回大会より制作局がテレビ東京から日本テレビへと移行。「サッポロビール新春スポーツスペシャル」として全国ネットでの本格中継が始まりましたが、機材不足のため一部区間は別番組に切り替わる形でした。
バラエティ番組では、長年親しまれてきた番組が相次いで終了しました。TBSの「新春オールスター大運動会」（1972年〜）と日本テレビの「番組対抗かくし芸大会」（1979年〜）が共にこの年の正月特番をもって幕を閉じ、芸能人によるかくし芸特番はフジテレビの「新春スターかくし芸大会」のみとなりました。また、コント番組の金字塔であるフジテレビ「欽ドン！」シリーズも、スペシャル版をもって12年の歴史に終止符を打ちました。
刑事ドラマシリーズにも大きな動きがありました。日本テレビの「太陽にほえろ！」シリーズは、『Part2』の最終回をもって14年半の放送に幕を下ろし、テレビ朝日の人気シリーズ「特捜最前線」も10年の歴史にピリオドを打ちました。
また、朝日放送制作の「必殺シリーズ」も「必殺剣劇人」の終了をもって、15年続いたシリーズが一旦中断となりました。
新しい番組も続々と誕生しました。日本テレビでは、古舘伊知郎と阿川泰子が司会を務める資生堂提供のトーク番組「オシャレ30・30」が始まり、現在の「おしゃれシリーズ」の源流となりました。フジテレビでは、火曜日レギュラーに吉沢秋絵、木曜リーダーに笑福亭鶴瓶が「笑っていいとも！」に加入するなど、レギュラー陣の変動がありました。関西では、ダウンタウン司会のバラエティ番組「4時ですよーだ」（毎日放送）や、笑福亭鶴瓶と上岡龍太郎のトークバラエティ「鶴瓶上岡パペポTV」（よみうりテレビ）が放送を開始し、それぞれダウンタウンの東京進出や、鶴瓶・上岡コンビの人気のきっかけとなりました。テレビ朝日では、深夜の討論番組「朝まで生テレビ！」がレギュラー放送を開始し、以降、社会の様々な問題に切り込む番組として定着しました。紀行番組「世界の車窓から」（テレビ朝日）もこの年から放送が始まり、現在も続く長寿番組となっています。
報道・情報番組も大きな改編が行われました。各局が朝、昼、夕方、そして22時台のニュース・ワイドショー枠を大幅に見直しました。TBSは「JNNニュース22プライムタイム」を新設して「ニュースステーション」に対抗する姿勢を見せ、テレビ朝日も「ニュースシャトル」を開始。日本テレビでは長寿番組だった「お昼のワイドショー」が終了し、「午後は○○おもいッきりテレビ」がスタートしました。TBSでは関口宏司会の「サンデーモーニング」が始まり、現在まで続く情報ワイド番組となりました。
高視聴率を記録した番組
この年、特に注目されたのはドラマと結婚披露宴中継でした。NHKの大河ドラマ「独眼竜政宗」（主演：渡辺謙）は、年間平均視聴率39.7%（関東地区）という大河ドラマ史上最高記録（当時）を打ち立てる社会現象となりました。
芸能人の結婚披露宴中継も高視聴率を獲得しました。6月には郷ひろみ・二谷友里恵夫妻の披露宴がフジテレビで独占生中継され、47.6%を記録。10月には渡辺徹・榊原郁恵夫妻の披露宴が日本テレビで独占生中継され、40.1%を記録しました。
夏には、フジテレビ系列で初の長時間特番「FNSの日」が「FNSスーパースペシャル1億人のテレビ夢列島」として放送され、タモリと明石家さんまが総合司会を務めました。これは現在の「FNS27時間テレビ」の源流となる企画です。
アニメではフジテレビ「サザエさん」が34.1%、最終回を迎えた「タッチ」が30.8%と高い視聴率を維持しました。特撮では、毎日放送制作で「仮面ライダーBLACK」が始まり、平成ライダーシリーズへと繋がる新たな「仮面ライダー」の歴史がスタートしました。
その他の話題
この年には、人気俳優の石原裕次郎氏が7月17日に52歳で逝去され、各局で追悼特番が組まれました。また、よみうりテレビで「アベック歌合戦」の司会で知られたトニー谷氏、テレビドラマで活躍した有島一郎氏らも亡くなりました。
テレビ局関連では、フジテレビとTBSが日本の地上波テレビ局として初めて本格的な24時間放送を開始しました。また、テレビ山口がフジネットワーク（FNS）から脱退し、TBS系のフルネット局になるというネットチェンジもありました。
1987年は、視聴者の嗜好や社会の変化に対応するため、番組編成や内容が大きく見直された一年であり、現在のテレビ放送の基礎となる様々な試みが始まった画期的な年と言えるでしょう。
主な出来事
年の始まり、1月1日にはNHK恒例の「ウィーンフィル・ニューイヤーコンサート」が、従来の教育テレビに加え、衛星第2テレビやFMでもPCMデジタル音声によるステレオ生放送を開始。クラシック界の巨匠ヘルベルト・フォン・カラヤンが初めて指揮を務めたことも注目されました。
正月スポーツイベントとして定着している箱根駅伝のテレビ中継は、第63回大会より制作局がテレビ東京から日本テレビへと移行。「サッポロビール新春スポーツスペシャル」として全国ネットでの本格中継が始まりましたが、機材不足のため一部区間は別番組に切り替わる形でした。
バラエティ番組では、長年親しまれてきた番組が相次いで終了しました。TBSの「新春オールスター大運動会」（1972年〜）と日本テレビの「番組対抗かくし芸大会」（1979年〜）が共にこの年の正月特番をもって幕を閉じ、芸能人によるかくし芸特番はフジテレビの「新春スターかくし芸大会」のみとなりました。また、コント番組の金字塔であるフジテレビ「欽ドン！」シリーズも、スペシャル版をもって12年の歴史に終止符を打ちました。
刑事ドラマシリーズにも大きな動きがありました。日本テレビの「太陽にほえろ！」シリーズは、『Part2』の最終回をもって14年半の放送に幕を下ろし、テレビ朝日の人気シリーズ「特捜最前線」も10年の歴史にピリオドを打ちました。
また、朝日放送制作の「必殺シリーズ」も「必殺剣劇人」の終了をもって、15年続いたシリーズが一旦中断となりました。
新しい番組も続々と誕生しました。日本テレビでは、古舘伊知郎と阿川泰子が司会を務める資生堂提供のトーク番組「オシャレ30・30」が始まり、現在の「おしゃれシリーズ」の源流となりました。フジテレビでは、火曜日レギュラーに吉沢秋絵、木曜リーダーに笑福亭鶴瓶が「笑っていいとも！」に加入するなど、レギュラー陣の変動がありました。関西では、ダウンタウン司会のバラエティ番組「4時ですよーだ」（毎日放送）や、笑福亭鶴瓶と上岡龍太郎のトークバラエティ「鶴瓶上岡パペポTV」（よみうりテレビ）が放送を開始し、それぞれダウンタウンの東京進出や、鶴瓶・上岡コンビの人気のきっかけとなりました。テレビ朝日では、深夜の討論番組「朝まで生テレビ！」がレギュラー放送を開始し、以降、社会の様々な問題に切り込む番組として定着しました。紀行番組「世界の車窓から」（テレビ朝日）もこの年から放送が始まり、現在も続く長寿番組となっています。
報道・情報番組も大きな改編が行われました。各局が朝、昼、夕方、そして22時台のニュース・ワイドショー枠を大幅に見直しました。TBSは「JNNニュース22プライムタイム」を新設して「ニュースステーション」に対抗する姿勢を見せ、テレビ朝日も「ニュースシャトル」を開始。日本テレビでは長寿番組だった「お昼のワイドショー」が終了し、「午後は○○おもいッきりテレビ」がスタートしました。TBSでは関口宏司会の「サンデーモーニング」が始まり、現在まで続く情報ワイド番組となりました。
高視聴率を記録した番組
この年、特に注目されたのはドラマと結婚披露宴中継でした。NHKの大河ドラマ「独眼竜政宗」（主演：渡辺謙）は、年間平均視聴率39.7%（関東地区）という大河ドラマ史上最高記録（当時）を打ち立てる社会現象となりました。
芸能人の結婚披露宴中継も高視聴率を獲得しました。6月には郷ひろみ・二谷友里恵夫妻の披露宴がフジテレビで独占生中継され、47.6%を記録。10月には渡辺徹・榊原郁恵夫妻の披露宴が日本テレビで独占生中継され、40.1%を記録しました。
夏には、フジテレビ系列で初の長時間特番「FNSの日」が「FNSスーパースペシャル1億人のテレビ夢列島」として放送され、タモリと明石家さんまが総合司会を務めました。これは現在の「FNS27時間テレビ」の源流となる企画です。
アニメではフジテレビ「サザエさん」が34.1%、最終回を迎えた「タッチ」が30.8%と高い視聴率を維持しました。特撮では、毎日放送制作で「仮面ライダーBLACK」が始まり、平成ライダーシリーズへと繋がる新たな「仮面ライダー」の歴史がスタートしました。
その他の話題
この年には、人気俳優の石原裕次郎氏が7月17日に52歳で逝去され、各局で追悼特番が組まれました。また、よみうりテレビで「アベック歌合戦」の司会で知られたトニー谷氏、テレビドラマで活躍した有島一郎氏らも亡くなりました。
テレビ局関連では、フジテレビとTBSが日本の地上波テレビ局として初めて本格的な24時間放送を開始しました。また、テレビ山口がフジネットワーク（FNS）から脱退し、TBS系のフルネット局になるというネットチェンジもありました。
1987年は、視聴者の嗜好や社会の変化に対応するため、番組編成や内容が大きく見直された一年であり、現在のテレビ放送の基礎となる様々な試みが始まった画期的な年と言えるでしょう。
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