1987年ウィンブルドン選手権

1987年 ウィンブルドン選手権の概要

1987年のウィンブルドン選手権は、6月22日から7月5日までの期間、ロンドン郊外に位置する「オールイングランド・ローンテニス・アンド・クローケー・クラブ」で行われました。今回の大会では、特に女子シングルスと男子シングルスで見どころが多く、多くの記録が打ち立てられました。

男子シングルス

この大会の男子シングルスでは、オーストラリアのパット・キャッシュが9年ぶりの優勝を達成しました。決勝では、前年の準優勝者であるチェコスロバキア出身のイワン・レンドルを相手に見事なプレーを展開し、7-6, 6-2, 7-5で勝利しました。準決勝では、キャッシュがジミー・コナーズをストレートセットで下すなど、絶好調の様子を見せました。

一方、イワン・レンドルは再び準優勝という結果で、2年連続してタイトルを逃しました。しかし、レンドルの安定したプレーは変わらず評価され、特に準決勝ではステファン・エドベリとの接戦を制しています。

女子シングルス

女子シングルスでは、マルチナ・ナブラチロワが歴史的な6連覇を達成しました。決勝ではシュテフィ・グラフを相手に、7-5, 6-3のスコアで勝利を収めました。この勝利により、ナブラチロワは1976年から1980年までビョルン・ボルグによって持たれていた5連覇の記録を上回り、女子シングルスの優勝回数でも歴代1位のヘレン・ウィルス・ムーディに並ぶこととなりました。

準優勝のシュテフィ・グラフは、この大会の前までは連勝記録を保持していましたが、ナブラチロワとの試合でその記録が止まってしまいました。男子同様、女子シングルスも非常に盛り上がりを見せました。

戦績

男子シングルス準々決勝では、ジミー・コナーズがスロボダン・ジボイノビッチに勝利し、準決勝ではパット・キャッシュがコナーズを破りました。そして、決勝に進んだキャッシュがレンドルを下して優勝を果たしました。

女子シングルスでは、マルチナ・ナブラチロワが準々決勝でダイアン・フロムホルツを下し、準決勝でクリス・エバートに苦戦しながらも勝利を収め、決勝に進出しました。ルールブックに従った試合運びで、ナブラチロワはその実力を証明しました。

その他の競技

男子ダブルスでは、ケン・フラックとロバート・セグソがエミリオ・サンチェスとセルヒオ・カサルに勝利し、女子ダブルスではクラウディア・コーデ＝キルシュとヘレナ・スコバがベッツィ・ナゲルセンとエリザベス・スマイリーを破りました。混合ダブルスでは、ジェレミー・ベイツとジョー・デュリーが優勝を果たしました。

注目のポイント

特に今回の大会では、ナブラチロワによる女子シングルス6連覇という偉業が注目を浴びました。彼女は1970年代のテニス界を代表する選手としての地位を揺るぎないものにし、パット・キャッシュの男子シングルス優勝も長らく待たれた瞬間でした。さらに、この大会には日本人選手の岡本久美子も出場し、クリス・エバートとの対戦が注目を集めました。しかし、エバートが圧倒的な強さを見せつけ、岡本は敗退しました。

このように、1987年のウィンブルドン選手権は、歴史に残る多くの記録と感動をもたらした大会となりました。

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