1995年のイギリスツーリングカー選手権

1995年のオートトレーダーRACイギリスツーリングカー選手権は、38年目を迎えたこのシリーズにおいて、記憶に残るシーズンとなりました。ボクスホール・キャバリエを駆るジョン・クレランドがドライバーズチャンピオンに輝き、フォード・モンデオのマット・ニールがインディペンデントドライバーズチャンピオンを獲得しました。

このシーズンは、全レースがダブルヘッダー形式で行われ、各レースでフルポイントが与えられました。ただし、イギリスグランプリのサポートレースとして開催されたシルバーストンでの第8戦のみ例外でした。1994年シーズンにアルファロメオが初めて導入した空力補助装置を巡る議論を受けて、TOCA（ツーリングカー組織委員会）は、ウィングとスポイラーに関するレギュレーションを明確化し、全車に適用されることを発表しました。

前年、圧倒的な強さでシーズンを支配したアルファロメオは、1995年シーズンはイタリアスーパツーリング選手権に参戦拠点を移しました。ワークスチームはプロドライブが運営し、デレック・ワーウィックが全戦に出場しましたが、期待されたほどの成果は得られず、シーズン終了後には選手権から完全に撤退しました。

一方、ボルボはTWR（トム・ウォーキンショー・レーシング）が850エステートを投入、リカルド・リデルとティム・ハーベイという強力なドライバーラインナップを擁し、タイトル争いをリードしました。リデルは13回のポールポジションを獲得するなど、シーズンを通してトップ争いを演じました。

ルノーはウィリアムズF1と提携し、改良されたラグナで参戦。アラン・メニュは最多勝利を挙げ、チームメイトのウィル・ホイと共に、マニファクチャラーズタイトルを獲得しました。メニュはドライバーズタイトルも狙いましたが、リデルやクレランドとの激しい争いを制することはできませんでした。

フォードはモンデオで3年目のシーズンを迎え、ポール・ラディシッチに期待を寄せましたが、開発面で他チームに劣り、勝利は1勝にとどまりました。アンディ・ロウズの後任として参戦したケルビン・バートも1勝を挙げました。

ボクスホールは、翌シーズンに新型ベクトラを投入することを発表しており、1995年はキャバリエ最後のシーズンでした。ジョン・クレランドは、チームメイトのジェームス・トンプソンと共に、ボルボやルノーとの激しい争いを制し、ドライバーズおよびチームズタイトルを獲得しました。

BMWチーム・シュニッツァーは、世界各地のツーリングカー選手権に参戦しており、ヨアヒム・ヴィンケルホックはドイツ、スティーブ・ソパーは全日本でタイトルを獲得しました。しかし、イギリス選手権ではジョニー・チェコットとデヴィッド・ブラバムを起用したものの、結果は振るわず、勝利も表彰台も得ることができませんでした。

トヨタは、カリーナを投入しましたが、目立った活躍はできませんでした。プジョーは405を継続して参戦し、パトリック・ワッツがチームを牽引しました。しかし、1996年シーズンからは406へ移行することになりました。

ホンダは、モータースポーツ・ディベロップメントと共にアコードを投入し、デイビッド・レズリーとジェームズ・ケイを起用しました。シーズン終盤にかけて調子を上げ、レズリーは表彰台を獲得しました。

インディペンデントチャンピオンシップでは、マット・ニールがフォード・モンデオで圧倒的な強さを見せ、2度目のタイトルを獲得しました。2位にはリチャード・ケイ、3位にはナイジェル・スミスが続きました。

このシーズンは、多くのドラマとサスペンスに満ちた、記憶に残るイギリスツーリングカー選手権となりました。各チームの戦略、ドライバーの走り、そしてマシン開発の競争は、観る者を魅了しました。

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