1/100スケール

1/1|1_100スケールとは

1/1|1_100スケールは、図面や模型で用いられる縮尺の一つで、実物の100分の1のサイズを表します。メートル法を採用している場合、1メートルが1センチメートルになるため、数値換算が容易で、作図しやすいことが特徴です。建築分野では、高さ30メートルの建物が30センチメートルになるなど、扱いやすいサイズ感から、設計図や模型に広く利用されています。

模型分野での展開

プラモデルの世界では、ヤード・ポンド法を用いるイギリスやアメリカで12の倍数の縮尺が主流ですが、メートル法を採用する日本、フランス、ドイツなどでは、1960年代から1970年代にかけて1/1|1_100スケールの航空機モデルが発売されました。特に、1980年代に大人気を博したアニメ『機動戦士ガンダム』に登場するモビルスーツのプラモデル、通称ガンプラが1/1|1_100スケールを採用したことで、以降、多くのガンダムシリーズや、同程度のサイズのロボットプラモデルで標準的な縮尺となりました。

プラモデルの歴史

航空機

国内メーカー

マルサン商店: 1960年代前半に「世界の名機シリーズ」として約30点を発売。第二次世界大戦時の戦闘機や爆撃機に加え、F-86やF-104などのジェット機もラインナップ。倒産後は、金型が富士ホビーや日本模型などに引き継がれました。1973年には、新金型で「日本傑作機シリーズ」を発売し、主脚の出し入れギミックが特徴でした。後に金型は童友社に売却されました。
YMC模型製作所: 1960年代初頭に「旧陸海軍複葉機シリーズ」を発売。主に第二次世界大戦以前に退役したマイナーな複葉機をモデル化しています。
タミヤ: 1960年代後半から1970年代にかけて「ミニジェットシリーズ」を展開。現役のジェット戦闘機を中心に、ヘリコプターや爆撃機も製品化。1987年にはベンホビーから一部が再販され、2004年には「コンバットプレーンシリーズ」として再発売されました。
万年: 1974年に「ジェットファイターシリーズ」としてF-15とF-14を発売。その後、ハナオカ、サンショウ、サニーなどからも再販されました。海外ではエンテックス（アメリカ）、ロスコフ（西ドイツ）などからも発売されています。ミグ25はサニーから発売されました。
日東科学教材: 1960年代から1970年代にかけて「旅客機シリーズ」を発売。民間旅客機を中心に、軍用輸送機なども製品化。廃業後、金型は童友社に売却されました。海外では、アメリカのエンテックスからも発売されています。
ベンホビー: 1980年代後半、タミヤの「ミニジェットシリーズ」のOEM販売と並行して、F-15のバリエーションを発売しました。解散後、キットは今井科学とツクダホビーから再販されました。
タカラ: 1980年代前半に「エリア88」シリーズを発売。漫画に登場する機体をモデル化し、実機に近い再現性が特徴でした。
童友社: 旧日東科学製の旅客機シリーズや、旧マルサン製の戦闘機シリーズを販売。2003年には「翼コレクション」として、塗装済みキットをブラインド方式で発売し、人気を博しました。

国外メーカー

エレール（フランス）: 1960年代初めから「Cadetシリーズ」として、ジェット戦闘機やヘリコプターなどを発売。大型機のキットも存在します。ドイツレベルなどからも発売されています。
ファーラー（ドイツ）: 1950年代後半から1970年代初めにかけて、バラエティ豊かな機種のキットを発売。2000年代にはDahlmannから再販されました。
ロスコフ（ドイツ）: 1970年代半ばから1990年代半ばにかけて、万年/サニー、エレール、ファーラー、タミヤからのOEM製品を発売。
VEBプラスチカルト（東ドイツ）: 1960年代から1980年代にかけて、旅客機を中心に発売。旧ソ連・東欧圏の機体も多く含まれます。ReifraやDahlmannから再販されました。
レベル（アメリカ/ドイツ）: 1980年代から1990年代にかけてOEM販売が中心でしたが、2000年代初めから「easy kit」シリーズで1/1|1_100スケールのジェット戦闘機などを発売。
エース（韓国）: ヘリコプターのキットを発売。アメリカのレベルやアキュレイトミニチュア、日本の青島文化教材社などからも発売されました。
Atlantic（イタリア）: 1970年代半ばに、戦闘機や爆撃機のキットを発売。軟質素材製で玩具的な要素が強いです。
AHM（アメリカ）: 1970年代に「All the worlds aircraft」シリーズを発売。1/87スケールと表記されていますが、実際には1/1|1_100に近いものが含まれています。

ミリタリーモデル

1/1|1_100スケールのミリタリーモデルは、ロスコフのミニカー程度でしたが、2011年以降、ロシアのズヴェズダが1/1|1_100スケールの戦車や軍用車両を多数発売しています。

艦船

軍艦や客船のプラモデルは少ないですが、帆船はエレール、今井科学、ズヴェズダなどから大型キットが発売されています。

建築物

建築模型では標準スケールですが、プラモデルとしては鉄道模型に合わせた縮尺で作られることが多く、1/1|1_100のキットは少ないです。フジミ模型から、金閣寺や五重塔などの日本建築が発売されています。

キャラクターモデル

ガンプラの成功により、1/1|1_100はキャラクターモデルの標準的なスケールとなりました。1980年代には、『機動戦士ガンダム』、『鉄人28号』、『超時空要塞マクロス』など、様々なアニメ作品のプラモデルが1/1|1_100スケールで発売されました。

ダイキャストモデル

ダイキャスト製航空機模型では、1/1|1_100スケールは標準的で、多くのブランドから製品が発売されています。ダイキャスト製ミニカーや戦車模型では、縮尺の目安として使われることが多いです。

近似の縮尺

1/96スケール

ヤード・ポンド法を使うイギリスやアメリカでは、1/96スケールも使われます。Vulcan、Eagle、フロッグなどのメーカーから飛行機や帆船などのプラモデルが発売されています。

3mmスケール

イギリスのTTゲージ鉄道模型で採用されている縮尺。1/1|1_101.6に相当します。

まとめ

1/1|1_100スケールは、建築、プラモデル、ダイキャストモデルなど、様々な分野で使われる縮尺です。特に、ガンプラの登場以降、キャラクターモデルの標準的なスケールの一つとして定着しました。

出典

日本プラモデル工業協同組合編『日本プラモデル50年史』文藝春秋企画出版部、2008年
リリパッティの部屋
きっと懐かしキット!
Airplane models at the scale 1/87 to 1/1|1_100 and near yesterday and now

外部リンク

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