1/72スケール

1/72スケールの概要

1/72スケールは、模型の世界で広く用いられる国際標準スケールの一つです。このスケールは、実物の72分の1のサイズで模型を再現することを意味し、例えば実物が72cmであれば、模型は1cmになります。特に航空機の模型で主流のスケールであり、小型の戦闘機から大型爆撃機まで、様々な機種を同一スケールでコレクションできる利便性から、多くのモデラーに支持されています。このスケールは、1フィートを1/6インチに縮小した大きさ、あるいは1/1|1_144スケールを2倍にした大きさに相当します。

1930年代にイギリスで誕生した航空機模型シリーズで初めて採用され、第二次世界大戦中には連合国軍の航空機識別用模型にも用いられました。現在では、航空機だけでなく、戦車や軍用車両などのミリタリーモデル、さらにはフィギュアや艦船モデル、キャラクターモデル、ダイキャストミニカーなど、幅広い分野で採用されています。1/72スケールは、ヨーロッパや日本を含むアジア地域で特に人気がありますが、アメリカやカナダ、オーストラリアでは1/48スケール|1_48スケールが主流となっています。

プラモデルにおける1/72スケール

航空機

1/72スケールは航空機モデルの分野で最も一般的なスケールの一つです。大型爆撃機から小型機まで、多種多様な機種がモデル化されています。イギリスのエアフィックスやマッチボックス、フランスのエレール、ドイツのレベル、イタリアのイタレリやエッシーなど、世界中のメーカーが1/72スケールを主力としています。

日本のメーカーも、当初は様々なスケールで製品を発売していましたが、1960年代後半以降、1/72スケールが主流となりました。ハセガワやフジミ模型などは、それまで採用していたスケールから1/72スケールに移行しました。タミヤも1990年代に1/72スケールキットの販売を開始しています。

アメリカのメーカーは、1/48スケール|1_48スケールを主力とする傾向がありますが、1/72スケールのキットも少なからず存在します。また、ラテンアメリカや韓国、中国などでも、1/72スケールキットの生産が行われています。旧ソ連・東欧圏では、当初は他社製品のコピーやOEM生産が中心でしたが、近年は独自の製品開発も活発化しています。

軍用車両

戦車や軍用車両などのミリタリーモデルでは、1970年代に1/76スケールが主流でしたが、1/72スケールも徐々に勢力を拡大しました。現在では1/35スケール|1_35スケールに次ぐ主要スケールとなっています。エアフィックスやマッチボックスといったイギリスのメーカーが1/76スケールで製品を展開していましたが、ハセガワ、エッシー、エレールなどが1/72スケールを採用し、1990年代にはドイツレベルが、2000年代には中国や東欧のメーカーも1/72スケールに参入しています。1/35スケール|1_35スケールと比較して「ミニスケール」とも呼ばれます。

歴史フィギュア

1/72スケールの歴史フィギュアは、ミニチュアゲームの駒として需要があります。HaT、イタレリ、ズヴェズダ、ドイツレベルなど、ヨーロッパのメーカーが中心となって、兵士だけでなく、建物や攻城機械、動物などもモデル化しています。

艦船

1/72スケールの艦船モデルは、主に魚雷艇クラスが中心です。レベルやエアフィックス、タミヤなどから、第二次世界大戦から戦後の魚雷艇やレスキューボートがモデル化されています。また、大型の潜水艦もこのスケールで発売されています。

自動車

軍用車両以外の1/72スケールの自動車モデルは少ないですが、バスや建設車両などを中心にキットがあります。ダイキャスト製のミニカーも、かつては多数リリースされましたが、近年は減少傾向にあります。

キャラクターモデル

ガンプラでは1/72スケールのキットは少ないですが、マクロスシリーズなどのキャラクターモデルでは1/72スケールが多く採用されています。ゾイドや、特撮作品のメカもこのスケールでモデル化されています。

鉄道車両

鉄道模型では1/72スケールは一般的ではありませんが、ミリタリーモデルの付随品として、鉄道車両のプラモデルが少数展開されています。鉄道模型のストラクチャー（建物）は、1/72スケールのジオラマに流用できるものもあります。

ダイキャストモデルにおける1/72スケール

ダイキャスト製の1/72スケールモデルは、香港のメーカーであるホンウェルが先駆けです。再現度の高い設計と、コレクター向けのアクリルケース入りパッケージが特徴で、多くのコレクターに支持されています。1/64スケールなどと異なり、パッケージサイズに左右されずスケールに忠実な点が特徴です。緊急車両の模型は、地域限定モデルが多数販売され、コレクター間の交換が活発に行われています。このスケールの主なメーカーは、ホンウェル、Real-X、ヤトミンなどです。

HO/OOスケールとの比較

HO/OOスケールは、鉄道模型で用いられるスケールで、HOゲージ（1/87スケール）とOOゲージ（1/76スケール）があります。エアフィックスは、1950年代からHO/OOスケールと表示した製品を発売していましたが、実質的にはOOスケール（1/76スケール）で製造されていました。1/72スケールとHO/OOスケールは異なるスケールですが、歴史的な経緯から混同されることもありました。現在では1/72スケールがミニスケールの軍用車両の主流となっていますが、1/76スケールも完全に消滅したわけではありません。

まとめ

1/72スケールは、模型の世界において非常に重要なスケールです。航空機モデルを中心に、様々なジャンルで製品が展開され、多くのモデラーに愛されています。その歴史、各ジャンルでの展開、そして関連するスケールとの比較を通じて、1/72スケールの魅力をより深く理解することができるでしょう。

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