38

38

自然数であり、整数の並びでは37の次に位置し、39の前に来ます。一般的な読み方は「さんじゅうはち」ですが、文脈によっては「さんぱ」、「みつや」、「みつはち」、「みそや」、「みそじあまりやつ」といった様々な呼び方もされます。

数学的性質

38は合成数であり、自分自身を含めた正の約数は1、2、19、そして38の四つです。これらの約数を全て足し合わせると合計は60になります。また、38は二つの素数（2と19）を掛け合わせてできる半素数であり、これは14番目の半素数に該当します。

数学的な特性として、38は連続する三つの素数の平方の和で表せる最小の数（2² + 3² + 5² = 4 + 9 + 25 = 38）である点が挙げられます。興味深いことに、連続素数の平方和が偶数になるのは38だけというユニークな性質も持ち合わせています。さらに、異なる三つの平方数の和としては7番目、三つの平方数の和として二通り（1² + 1² + 6² および 2² + 3² + 5²）で表せる数としては3番目に数えられます。

数の性質を示す関数の一つにオイラーのφ関数がありますが、「φ(n)=38」を満たす自然数nは存在しません。このため、38は偶数のノントーティエントとしては4番目に挙げられる数です。

逆数の循環節の長さにも特徴があります。1を38で割ると、循環小数の0.0263157894736842105…となり、小数点以下第2位から18桁の数字が繰り返されます。これは、逆数が循環小数になる数の中で、循環節が18となる2番目の数です。

平方数の下桁にも特別なパターンが見られます。38を平方（二乗）すると1444となりますが、その下三桁が444となる最小の自然数です。同時に、二桁の数の中で、平方数の下三桁がゾロ目になる唯一の数でもあります。また、平方数の下二桁が同じ数になる数としては5番目に該当します（38²の下二桁は44）。

その他にも、約数の和がちょうど38になる自然数は37の一つだけであること、各位の和が11になる偶数としては最小であること（3 + 8 = 11）、各位の平方和が73になる最小の数（3² + 8² = 9 + 64 = 73）、各位の立方和が539になる最小の数（3³ + 8³ = 27 + 512 = 539）といったユニークな性質を持っています。

さらに、階乗に関連して、38の階乗から1を引いた数（38! - 1）は素数であることが知られており、これは10番目の階乗素数です。

様々な分野での「38」

「38」という数は、私たちの身の回りや様々な分野にも意外と多く登場します。

科学や生物学の分野では、次のような例があります。
地球と月の間の平均距離はおよそ38万キロメートルとされています。
日本の国土面積も約38万平方キロメートルです。
地球上に生命が誕生したのが約38億年前と考えられています。
ヒトの出産までの平均期間は約38週であり、妊娠中の母体の羊水の温度は約38度前後とされています。
成人した人体の全細胞は約38兆個であるという推計があります。
元素周期表において、原子番号38の元素はストロンチウム（Sr）です。
生化学では、1分子のグルコースから細胞呼吸の過程を経て、最大38分子のアデノシン三リン酸（ATP）が生成されるとされています。

歴史や地理の分野でも「38」を見つけることができます。
日本の歴代天皇では第38代が天智天皇、内閣総理大臣では第38代が近衞文麿です。大相撲の第38代横綱は照國万藏でした。
アメリカ合衆国では、第38代大統領がジェラルド・R・フォードであり、38番目に連邦に加盟した州はコロラド州です。
地理的には、朝鮮半島の「38度線」がよく知られています。これは、かつて南北を分断する境界線として設定され、現在は軍事境界線の通称となっています。
日本の都道府県コードでは、愛媛県が「38」を割り当てられています（JIS X 0401）。
青森県には、八戸市と三戸郡を合わせた「三八（さんぱち）地域」と呼ばれる地域区分があります。
第38代ローマ教皇はシリキウスでした（在位384年～399年）。

文化や娯楽の世界でも、様々な形で登場します。
易占の六十四卦では、第38番目の卦は火沢睽（かたくけい）です。
イスラム教の聖典クルアーンにおける第38番目のスーラはサードです。
かつて、日本の複数のテレビ放送局で、アナログ放送時代のガイドチャンネルとして38が使われていました（NHK佐賀、山形テレビ、青森テレビ、長野放送など）。
アメリカンスタイルのルーレットでは、選択可能な数字のマスは0、00、1から36までの合計38マスです。
日本の軽自動車の自家用ナンバープレートで使用されるひらがなは、特定の文字（お、し、へ、り、れ、ろ、わ）を除いた38通りが用いられます。

固有名詞・出来事

「38」を含む固有名詞や特定の出来事の通称も存在します。
人物や組織では、日本のお笑いトリオ「ビーグル38」、尖閣諸島問題に関わる動画で知られるYouTubeチャンネル「sengoku38」、アメリカのサザンロックバンド「38スペシャル」などがあります。
商品や型式名としては、ドイツの軍用自動式拳銃「ワルサーP38」、1900年代初頭に採用された大日本帝国陸軍の小銃「三八式歩兵銃」、ソニーのコンデンサマイク「C-38B」などが挙げられます。
* 特定の年号に関連して、「昭和38年（1963年）」は「サンパチ」と略されることがあり、この年に発生した記録的な豪雪は「サンパチ豪雪」として今も語り継がれています。また、この年に生まれた多くの力士たち（双羽黒、北勝海、寺尾、琴ヶ梅など）が角界を賑わせたことから、「花のサンパチ組」と呼ばれました。

このように、数としての基本的な性質に加え、科学、歴史、地理、文化、そして固有名詞に至るまで、様々な場面で「38」という数字を目にすることができます。その多様な側面は、この数が単なる記号に留まらない面白さを持っていることを示しています。

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