AP通信

AP通信の概要

AP通信（Associated Press）は、1846年にニューヨークで設立された非営利の通信社です。この通信社は法人格を持たない協同組合として運営されており、現在ではロイター通信やフランス通信社（AFP）と共に、世界で最大の通信機関の一つとされています。AP通信では、英語、スペイン語、アラビア語でニュースを提供し、会員や顧客向けに配信しています。

AP通信が創設された後、特に1917年にピューリッツァー賞が始まって以来、同社は54の賞を受賞しています。その中には32の写真部門も含まれており、報道の質を示しています。

会社の仕組み

AP通信は、アメリカ国内の多くの新聞社や放送局の協同組合として機能しており、これらのメディアはAP通信を通じて情報的な記事を配信し合っています。一方で、アメリカ国外の新聞社や放送局はAP通信に加入しているものの、協同組合のメンバーではないため、その情報提供に対して料金を支払う必要があります。2005年の段階で、約5,000のテレビ・ラジオ局や1,700の新聞社がAP通信のサービスを利用しています。また、その写真ライブラリには1,000万枚以上の画像が蓄積されています。AP通信は243の支局を持ち、121カ国でスタッフが活動しています。

現在、競合だったUPI通信社が崩壊したため、AP通信は国内唯一の大規模な通信社となっています。ロイターやAFPといった国外の通信社も英語ニュースを発信していますが、アメリカ国内での基盤はAP通信に依存しています。特に、APスタイルブックは、アメリカの新聞や雑誌におけるスタンダードとして広く認知されています。

AP通信の報道スタイルは、事実そのものを明確に伝えるものです。主に「逆ピラミッド型」の文章構成を用いて、結論から始まり、重要な情報、さらには背景情報を続ける形式が多く、これは記事が短く編集された際にも本質が失われにくい特長があります。

インターネットとAP通信

AP通信は、他の多くの報道機関と同様に、インターネットの影響を受け、財政的な課題に直面しています。2005年には、インターネット上での記事や写真の利用に新たな料金を尋ねる方針を発表しましたが、その後この計画は変更され、AP通信自身が直接一般読者向けにニュース提供を行うためのWebサイトとして「asap」を立ち上げました。この動きは、特に18歳から34歳の若者をターゲットとしています。

合衆国国内のAP通信の社員は、報道メディアギルド（News Media Guild）との関係もあります。

歴史と設立背景

1846年、AP通信は5つの競合する新聞社の共同出資によって設立されました。当時、各新聞社は港に到着する情報を早く入手するため、ボートで職員を派遣していましたが、それぞれが独立して情報を得るのは非効率であると判断し、電報を用いて情報を共有することに決定しました。当初は「ハーバー・ニュース協会」と呼ばれていましたが、後に名称が変更されました。

この動きの後押しをしたのは、ニューヨーク・サンのモーゼ・エール・ビーチで、彼は米墨戦争の報道において他の新聞社を巻き込む形で協力取材を実現しました。

主な出来事

• - 1849年: ハーバー・ニュース協会がアメリカ国外に初の支局を設立。
• - 1861年: 南北戦争にて、最初の「AP通信記者発」が匿名で送稿される。
• - 1876年: リトルビッグホーンの戦いで、特約記者マーク・ケロッグが職務中に命を落とす。この際、彼の最期の言葉として「私はカスターと共に行きますが、そこでおそらく死亡するでしょう」という記述が残っている。
• - 1967年: ダウ・ジョーンズとの提携を開始。

余談

アメリカのアニメ「バッグスバニー」では、主人公バッグスが取材の電話を受け、

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