BMW・1シリーズ

BMW 1シリーズ：コンパクトFRからFFへ、そして未来へ

BMW 1シリーズは、ドイツの自動車メーカーBMWが製造・販売するCセグメント乗用車です。かつてはエントリーモデルとして君臨した3シリーズコンパクトの後継車として、2004年に初代モデルが登場しました。

初代モデル（E81/E82/E87/E88型 2004年 - 2011年）

初代1シリーズは、走行性能を重視し、50:50の重量配分を実現する縦置きFRレイアウトを採用しました。5ドアハッチバックを基本に、クーペ、カブリオレ、3ドアハッチバックのバリエーションも展開されました。2002年には、デザインコンセプトモデル「BMW CS1 Concept」が公開され、オープンエア・2ドア・4シーターのスタイリッシュなデザインが注目を集めました。日本市場では2004年9月に発売開始。1.6Lから3.0Lの直列エンジンが搭載され、右ハンドル仕様のみが設定されました。クーペとカブリオレは2008年に導入され、高い人気を博しました。

2代目モデル（F20/F21/F52型 2011年 - 2019年）

2011年、フルモデルチェンジを果たした2代目モデルは、ホイールベースを延長し、室内空間の広さを向上。大型のキドニーグリルや、LEDライトを装備した先進的なデザインが特徴です。セグメント初の8速ATや、ウインカー内蔵ドアミラーを採用するなど、快適性と先進技術が充実。5ドアハッチバックに加え、3ドアハッチバック、そして中国市場向けに4ドアセダンもラインナップされました。日本市場では2011年9月に発売され、1.6Lと2.0Lの直列4気筒ガソリンエンジン、高性能モデル「M135i」などが設定されました。2015年にはフェイスリフトを行い、デザインとエンジンを刷新しています。

3代目モデル（F40型 2019年 - 2024年）

革新的な進化を遂げた3代目モデルでは、シリーズ初となるFFレイアウトを採用。走りと空間効率の両立を追求し、後部座席の広さとラゲッジスペース容量の大幅な拡大を実現しました。新開発のプラットフォーム「FAAR」と、FF特有のアンダーステアを抑制するタイヤスリップ・コントロール・システム（ARB）の採用により、高い走行性能を確保しています。パワートレインは、1.5L直列3気筒エンジンと2.0L直列4気筒エンジンが用意され、日本市場では2019年8月に発売開始されました。運転支援システムも充実し、先進的な安全技術を搭載。さらに、BMWインテリジェント・パーソナル・アシスタントなど、AI技術も積極的に活用しています。

4代目モデル（F70型 2024年 - ）

2024年6月に発表された4代目モデルは、3代目モデルのフェイスリフト版と言えるモデルです。プラットフォームは3代目モデルを継承しつつ、エクステリアデザインを刷新。大型化されたキドニーグリルや、アダプティブLEDヘッドライトが特徴です。インテリアは「BMWカーブド・ディスプレイ」を採用し、操作性を向上。従来のシフトレバーやiDriveコントローラーは廃止され、よりモダンなデザインに進化しています。パワートレインは、マイルドハイブリッドシステムを搭載した1.5L直列3気筒ガソリンエンジンと、2.0L直列4気筒ガソリンエンジンが用意されます。先進運転支援システムも進化しており、ハンズオフ機能付き渋滞運転支援機能などを搭載しています。また、ガソリンモデルのグレード名末尾についていた「i」は廃止され、電気自動車のみに採用されるようになります。日本市場では2024年10月30日に発売開始。ディーゼルモデルは廃止され、ガソリンモデルのみがラインナップされています。

まとめ

BMW 1シリーズは、時代の変化に合わせて進化を遂げながら、常に高い走行性能と革新的な技術を追求し続けてきました。コンパクトなボディでありながら、プレミアムセダンとしての品質と存在感を維持し、これからもBMWの主力モデルとして、世界中のドライバーに感動を提供し続けるでしょう。

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